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| 80歳以上の高齢者に年一回5000円の敬老金が支給されてきました。多くの人に喜ばれ、「医療費の値上がりなどでたいへんなとき、本当に助かる」という声も。ところが区は「財政難」だからと廃止条例をだして、日本共産党以外の議員の賛成で可決してしましました。 高齢者に敬意をはらい、暮らしを応援することは自治体として当然です。こうした高齢者に冷たい区政でいいのでしょうか。 |
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| 私は、議案第82号・東京都板橋区敬老金条例を廃止する条例に反対し、討論をおこないます。 現在、80歳以上の高齢者に対して、年1回5000円が支給されている敬老金は、これまで社会、地域の発展に寄与してこられ、高齢となった方々に、区民からの敬意を表し、あわせて福祉の増進を図る制度として、多くの方に歓迎され、すでに28年間も続けられ定着している制度です。 区は「金銭給付」の是非を問題視していますが、そもそも地方自治体の役割そのものの中には、「所得の再配分機能」が必要不可欠の要素として内包されており、ましてや福祉施策において、金銭給付的事業は極めて重要な役割をおっています。「わずか5000円程度なのだから…」という議論もありますが、この役割を後退させることは、たんに敬老金の支給だけでなく、今後の区政全般に影響が及ぶ重大な政策変更であり、断じて容認できません。 |
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| 安易に敬老金を廃止しようとする区の姿勢は、今日の高齢者全体の生活実態をかえり見ないものであると指摘せざるを得ません。高齢者世帯の暮らしは、日増しに苦しくなっていのが実情です。さらにこの数年、介護保険料の新たな負担や医療費負担の増大、また公共交通のシルバーパスのように、これまで無料だったサービスが有料化されるなど、度重なる負担増が生活を大きく圧迫し困難を増大させているのです。 2002年度の統計をみても、高齢無職世帯の1ヶ月の平均実収入が前年比で実質5.3%減。可処分所得も実質8.7%も減少しており、また消費支出に対する可処分所得の不足分、つまり生活のために貯金から取り崩している金額は前年よりも9426円も増加し、3万6732円となっています。こうした現実の生活実態を直視するならば、自治体における「所得の再配分機能」をいささかも後退させてはならないはずです。 さらに、区内の80歳以上の女性の約半数が一人暮らしであることからもわかるように、今後ますます独居高齢者がふえていくなかで、「敬老金」は住民と自治体を結ぶ「信頼の絆」ともなっています。 このように敬老金が、高齢者の暮らしを物心両面において支援するものとして、ますます大きな役割を担っていることは明らかです。 |
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| また、区は、高齢者の増加によって財政負担が増加することを、敬老金廃止の理由にあげていますが、これも、廃止先に有りきで、あとからつけた言い訳にすぎません。敬老金の支給が区財政を圧迫しているわけではないからです。1982年当時、敬老金支給の対象者は1万2315人で、その費用が一般会計に占める財政負担率は約0.07%でした。2002年度には対象が1万7563人に増えましたが、財政負担率は約0.06%に、むしろ下がっています。一概に「財政難」だとして廃止の口実にすることは、区民の理解を得ることはできません。 「敬老金」は条例第一条の目的にあるように「高齢者に対し、敬老金を支給し、敬老の意を表する」かけがえのない事業です。また、地方自治体の存在そのものにかかわる事業の一つでもあります。なぜなら、地方自治体は、住民一人ひとりの「人生の営み」によってのみ、築き上げられるものだからです。 今日の板橋の地域社会の繁栄、日本社会の繁栄は、戦中、戦後の荒廃のなかで、たいへんな労苦をされてきた方々がもたらしたものであるといっても過言ではありません。いま、こうした労苦のなかで年を重ねてきた方々に対して敬意をはらい、「長生きしたよかった」と思っていただける余生を送っていただくことは、自治体としての当然の責務です。目先のほんのわずかな金額の節減のために、こうした責務を放棄するならば、これは持続的発展どころか、高齢者を疎外する社会に後退してしまいかねません。 以上、敬老金廃止には、なんら道理がないことを指摘し、討論を終わります。 |