住宅購入、マンションの維持管理への影響はどうなる

 長期・固定・低金利の「公庫ローン」がなくなったら  公庫ローンの特徴は、「長期・固定・低金利」(最長35年ローンで2・6%)で住宅 ローンが組める点です。これは公庫金利が特殊法人として法的に2・0から5・5% に抑えられていて、調達金利に「逆ざや」が起きても、その損失は税金で補填される からです。  公庫ローンにはこうした利点があるため、契約者はこの3年間でも年間50万戸にも 達し、その内訳は年収800万円までの世帯の8割が利用しています。

民間にまかせたら  

 現在の契約者は「順当な返済がある限り影響がない(同公庫担当者)」としていま すが、ローンが銀行に取って代わった場合、公庫が実施している、リストラや賃金カッ トでの返済困難者への「救済措置」が存続できるか危ぶまれています。  また、新規借り入れの場合、利益第一主義の銀行は、顧客を職業や収入で選別する のではないかとの指摘もあります。

大規模修繕にかかせない「リフォームローン」は?  

 管理組合がおこなう大規模修繕工事の資金調達のひとつとして、「共用部分リフォー ムローン」があります。 現在の返済利率は2・7%で、都や一部の区市で実施して いる公庫融資を条件とした助成制度を併用すれば、さらに安い金利での返済ができま す。公庫ローンがなくなれば、この助成制度も自動的に廃止の方向になります。  銀行などの民間が実施しているリフォームローンは、廃止・縮小の流れになってお り、公庫は、大規模修繕の資金確保に欠かすことのできない役割を果たしています。  

ペイオフ対策として有効な
「修繕債権積立制度」はどうなる
 

 公庫は昨年からマンションの適正な修繕資金の積立と適切な保管を目的に、管理組 合を対象に「マンション修繕債権積立制度」をスタートさせました。公庫が発行する 一口百万円(複数購入可能)の10年債を管理組合が最大10年連続で購入でき、公庫が無 償で保管するシステムとなっています。同債権は、来年4月に解禁されるペイオフ対 象から除外されるため、修繕資金の安全な保管対策の一つとして期待されているだけ に、その行方に大きな関心が寄せられています。

金融公庫の廃止は国の住宅政策の放棄  

 政府は、公庫廃止について「役割は終わった」「著しく民業を圧迫している」など を理由としています。 公庫は、国民のマイホームの実現や融資条件による居住水準 の引き上げなど国民生活向上に大きな役割を果たしています。  
 また、住宅雑誌の調査でも、住宅取得希望者の8割が「公庫ローンを利用したい」 と要望していることからも、公庫の存続は国民の切実な願いです。  
 公庫の「廃止」は、都市基盤整備公団(旧住宅・都市整備公団)の「廃止・民営化」 とともに「勤労者市民の福祉の原点である住生活改善を阻もうとしている」(本間義 人法政大学教授・朝日新聞8月22日付)など多くの有識者からも批判が続出していま す。  
 「適切な住まいの確保は国民の権利。国はそれを保障する責務がある」(第2回国 連人間居住会議宣言)が世界の流れです。これに調印した政府の公庫廃止案は、それ に逆行するものではないでしょうか。

特殊法人改革についての日本共産党の提案  

 環境破壊の水資源公団や石油公団などの廃止、日本道路公団のムダな新道路の建設 の中止など、国民の立場から、ムダなものには思いきってメスを入れる。  
 住宅金融公庫、都市基盤整備公団、日本育英会など国民のくらしに役立つ事業は、 内容を改革し、公的部門として充実させ、すべての特殊法人への「天下り」をただち に禁止することを提案しています。



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