管理組合の滞納防止・対応策をつよめることが必要に
滞納している管理費、修繕積立金を何年まで請求できるか(高裁判決は十年)で争われた訴訟で、最高裁は四月二三日、「五年を超えた分は時効」とする初判断を示しました。今号は、この最高裁判決をふまえ、管理組合として管理費等の滞納問題にどう取り組むかについて考えてみました。
管理組合として滞納への予防策と、滞納問題が起きた場合の対策を、あらためて検討していく必要があります。
管理会社まかせにせず、管理組合が納入状況のチェックを
区分所有者の中には、経済的理由のほかに、「管理業務内容にしては管理費が高い」「管理人があまり働いていない」などを理由に、管理費等を支払わない人がいます。管理組合は、こうした誤解や不理解を広報などを通して日頃から解消していく努力をはらう必要があります。
通常、管理会社との委託契約では、滞納者に対する督促業務は、「納入状況報告」「三ヶ月まで督促を行う」、それでも支払いがないときには、管理会社は督促業務を終了し、「それ以降の収納の請求は、管理組合が行う」と定めています。それだけに管理組合として日常的に納入状況を掌握していることが重要です。
滞納者への対応基準を決めておく
管理組合は、滞納者が出た場合、「滞納○ヶ月目に滞納者に対して理事が出向き催促する。○ヶ月目に、理事長名(もしくは弁護士名)で内容証明郵便を出す。○ヶ月目で裁判も辞さない」などの対応基準を決めておくことが大事です。そうすれば、誰が理事長や担当理事になっても、回収事務をスムーズにすすめることができます。
管理規約にペナルティなどを設定
管理規約の中に、滞納にそなえて、「駐車場利用を制限できる」「遅延損害金を別途設定できる」などの罰則規定を明記しておきます。裁判になった場合、滞納者に「裁判費用や弁護士費用が請求できる」ことや「滞納者に対する訴訟は理事会に一任し、総会で事後承認する」ようにしておくことも大事です。
裁判も辞さない強い決意で「時効の中断」を含む法的措置を
長期滞納者に対する主な法的措置は次のようなことが考えられます。
◇簡易裁判所による「支払督促」
簡易裁判所の書記官が、申し立てをした債権者
◇簡易裁判所への「少額訴訟」
滞納額が六〇万円以下である場合に、簡易裁判所が一回の審理だけで判決を出す制度。
※いずれも弁護士は不要で事務手続きだけでできます。
◇裁判所への「訴訟」
原告(管理組合)・被告(滞納者)の双方が、裁判所で主張を出し合い、証言したり証拠を提出したりして、判決を受ける制度。
「時効の中断」は…
「時効の中断」は、「訴訟」「支払督促」などとともに、滞納者が書面等により債務(滞納)を「承認」した場合にも成立します。
なお、内容証明郵便などによる「催告」でも時効は中断しますが、「催告」の後6ヶ月間以内に裁判上の請求などをしなければ、その効果は消滅します
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