「管理員の勤務内容が契約と違っている」「管理会社を変えようとしても妨害される」―。こんな事態が続いていることが、公正取引委員会(公取委)の調査(昨年十一月)で明らかになりました。管理・保守会社との業務契約内容を見直せば、管理費をもっと有効に使える可能性が高まると言われます。管理組合で業務契約の見直しをみなさんで考えてみませんか。

 

管理会社との契約見直しで、もっと良質で安くできる

 「管理組合にまずおすすめしたいのは、管理会社と結んでいる契約を見直してみることです。おかしい内容が多いのが実態です」。NPO法人日本住宅管理組合協議会(日住協)副会長の原直男さんが指摘します。

契約内容と違っていた管理員の勤務形態

 NPO日住協に加入のマンション管理組合(四〇戸)は今年六月、管理会社を変えました。きっかけは二年前に当時の理事長が病気入院したときのこと。代理になった現理事長が調べてみると、管理員の勤務時間が、委託契約書の内容と違っていました。土曜日は隔週勤務のはずが、実際は毎週休み。理由を尋ねると「年休をとっている」とのこと。

 「これでは困る、と契約内容を見直し、土曜日を管理員が勤務しない日にし、委託料を引き下げました。理事会に担当者が出席しない、工事の業者選定も管理会社まかせ、なども改善しました」と現理事長。委託契約の自動延長を当然視するなど法律を守る姿勢も疑わしい会社だったため、管理組合総会で管理会社変更の検討を決定。結果的には管理会社から契約解除通知が届いたことで、変更が円滑にできました。

 新しい管理会社との契約内容を管理組合の希望するものにし、管理委託料は二年前より二割以上少なくなりました。

公正取引委員会がアンケート、管理会社が解除制限、妨害も

 公取委のアンケート調査(02年十一月〜03年九月実施)には、NPO日住協も参加する全国マンション管理組合連合会加盟の約七百四十の管理組合が回答。うち管理会社を利用しない自主管理している管理組合が30%。委託内容の変更などで管理費縮減の取り組みをしているのが四割を超えています。管理・保守会社を変更したり、変更を検討した管理組合は49%でした。

 管理会社を変更しようとしても、容易でない場合があります。その理由に「マンション居住者の無関心さ」をあげる管理組合が多く、「委託契約書に解約の規定がない」「双方の合意がないと解除できない定めがある」なども障害になっています。「契約解除に応じない」「組合理事の抱きこみ工作を行なう」など、管理会社が妨害しているケースもありました。

 保守設備(調査設備はエレベーター、自動ドア、機械式駐車場、宅配ボックス、給水ポンプ)の委託状況は、管理組合が直接委託しているのが38%。全部または一部を管理会社に委託している場合が多数でした。その場合、設備保守会社に再委託。多くはメーカー系保守会社です。

 調査結果をもとに公取委は、「マンションの管理・保守について取引内容や取引先を見直すことによって、より良質で安価な条件を獲得できる可能性が高まる」と、管理組合にたいして見直しを奨励しています。また「公正な競争を阻害するおそれのある行為」にたいしては、独占禁止法にもとづいて厳しく対処するとしています。

まかせきりでなく、点検と改善を求めていく

 NPO日住協の原さんはこう言います。「分譲時に押しつけられた管理会社や管理規約を、管理組合で見直してください」「毎月会計報告をしない管理会社では信用できません。納得のいく契約を結び、日常的に点検、問題があれば改善を求めることです。管理会社は全国で二千。私たちは管理組合の良きパートナーとなる業者が増えるように、『管理組合のための管理会社登録制度』を実施しています」

 管理費や修繕積立金を有効に使うためにも、組合員の意識と関心を高め、管理会社まかせきりの管理組合からの脱皮が求められています。

(しんぶん「赤旗」1214日付より転載・一部加筆)