マンション管理適正化法(適正化法)が施行されて二年が経過。最近、管理会社の不祥事が相次いで起き、管理組合への被害が発生しています。今回は、これらの事例を紹介し、被害を防止するための対策・問題点をとりあげてみました。

 

事例1 管理会社の倒産で、修繕積立金等が損失

 9月に、マンション管理会社・東洋ビル管理(68組合5306戸受託管理)が倒産し、多くの管理組合が被害を受けています。

 全国でおよそ二千四百社が、国土交通省に管理会社として登録されていますが、マンション管理適正化法の施行後、登録会社の倒産第一号となりました。

 会社倒産後の実態がわかるにしたがって、「組合資産を運転資金に流用、適正化法に沿った会計業務がされていない、修繕積立金が管理組合口座に移動されていないこと」などの違法行為が明らかになっています。

 適正化法に基づく会計業務は、管理組合口座の通帳、印鑑は管理組合で管理することが原則となっています。今回被害にあった管理組合の四割では、収納代行方式(管理費の収納にあたり、一ヶ月以内に修繕積立金を管理組合口座に移動させる条件で、管理会社口座での収納代行や保管口座の通帳または印鑑の管理会社保管を認める。事故にたいする一月分の管理費等については保証契約)で委託をおこなっていました。

 東洋ビル管理は、収納代行方式に従わず、一年間もの間資金の移動をおこなっておらず、その資金を自社の運転資金に流用していました。

事例2 管理費等の横領で、適正化法違反が次々・・・

 東洋ビル管理につづいて、管理会社・アパコミュニティ(9680戸受託)の社員による管理費等の横領事件が発覚しました。管理会社は全額弁済するとしていますが、この事件をきっかけに、アパコミュニティの管理適正化法違反の業務実態が明らかになりました。

 管理委託契約の際の「重要事項説明書の未交付、説明会の未開催、管理委託契約書の未交付」などが次々と。さらに、委託業務のほとんどが再委託(丸投げ)という実態も明らかになっています。

(事例1、2は「マンション管理新聞」より要旨掲載)

事例3 管理人の横領と管理会社の無登録問題

 日本共産党マンション相談室への相談で、管理人が管理費を持ち逃げした事例も。

 調査をすすめるうちに、管理会社は、無登録業社であることが判明(マンション管理適正化法で、管理会社は国土交通省へ登録しなければ営業できません。違反には懲役一年、50万円以下の罰則)。

 この管理組合は、適正化法の施行前から管理を委託しており、施行後に管理会社が登録したかどうかまでは確認ができていませんでした。 

  管理会社に委託しても、管理の主体は管理組合自身
 

 管理会社が法律を守っていなかったことは許されません。一方、管理会社の不祥事から学ぶべき点は、管理組合が一年間にわたって管理組合資金の移動がおこなわれていないことの確認チェック、重要事項説明書の未交付の実態、業者の登録確認していれば被害を防ぐことができたことです。

 管理業務を管理会社に委託しても、まかせきりにしないで管理組合が主体性をもって管理運営することが、いま求められています。

適正化法の見直しにむけて

 適正化法が施行されて二年余が経過、国土交通省は、04年には法の見直しを予定しています。

 日本共産党は、適正化法の成立の際、国会論議で「悪質な業者は、登録を認めない措置」を提案。法律の提案者は、「不正や違反行為があれば罰則で是正する」と回答しました。

 また、適正化法では、管理組合との管理委託契約の時に、管理会社は組合員への管理委託に関する「重要事項説明書の交付・説明会をすること」が定められていますが、この重要事項説明書の未交付にたいする「罰則」の定めはありません。

 管理費等の収納については、管理組合口座の通帳・印鑑の保管は管理組合保管が原則ですが、今回の不祥事の事例にもある収納代行方式(他に一任支払代行方式)が例外として認められています。日本共産党は、「このシステムは『原則禁止』にすべきだ」と提案しました。

 日本共産党は、今回表面化した問題点をふくめ、居住者・管理組合の立場に立って、適正化法を見直し、良好なマンション管理をめざし、みなさんといっしょに力をつくします。