●ペイオフとは
 金融機関が破たんした場合、預けている預貯金の「元本一千万円とその利息」までを最低保証する制度です。つまり、一千万円を超えたお金は、破たん金融機関の破産配当率がゼロの場合は、全く戻ってきません。
 多額の修繕積立金を積立てている管理組合としては、預け先を分散するとか、安全度の高い金融機関を選ぶなど、何らかの対応を考える必要があるでしょう。

●管理組合の知っておくべきポイント
1.時期により保護される内容・範囲
 一つの金融機関に預けている預貯金の合計額で判断されます。ただし、当座・普通・別段預金は、二〇〇三年三月末まで全額保護されます。

2.預けている金融商品のペイオフ対象の範囲
 一千万円まで保護される預金、対象外の預金は図表(図表T)のように決まっています。
■保護対象預金
○当座預金○普通預金○別段預金○通知預金○納税準備預金○貯蓄預金○掛金定期預金○定期積金○金融債○元本補填契約のある金銭信託○金融債(保護預り専用商品に限る)
■保護対象外預金
○外貨預金○譲渡性預金○元本補填契約のない金銭信託○金融債(保護預り専用商品以外)

3.預けている金融機関が保護対象になっているのか
 日本国内に本店のある金融機関(図表U)は、預金保険制度への加入が義務づけられているため保護されます。ただし、外国銀行の日本支店は対象外です。
 郵便局もペイオフと同じ保証内容になっています。農協、漁協等もほぼ同条件で保護されます。
■預金保険の対象金融機関
○銀行○信用金庫○信用組合○信金中央金庫○全国信用共同組合連合会○労働金庫連合会


●管理組合としての対応はまず足元をみることから
1.自分の管理組合が、法人と同一視される体制になっているか
 管理組合法人であれば、一千万円まで保護されますが、法人以外の管理組合で規約があり、管理者がいて一年に一回総会が開かれ適正に管理運営されている場合は法人とみなされます。そうなっていない管理組合の場合は、管理組合資産は区分所有者個人の共有財産とされ、各所有者の他の預金と合算されて、一千万円を超えた分が回収されなくなります。

2.口座名義は管理組合になっているか
管理会社名義になっていると戻らないこともあります。

3.団地型マンションの管理組合では
 棟ごとに預金していても、全体の管理組合に「名寄せ」されて、一つに合算されますので注意が必要です。金融機関が合併した場合も一つに合算されます。

4.積立保険の保険金・満期返戻金の契約者名義がだれになっているか
 契約名義が管理組合理事長ではなく、管理会社になっている場合は一切保護されませんので、確認が必要です。


●どんな対応・対策が
1.まず管理組合の預金が、どの金融機関にいくら預金しているのか、保護の対象になっているのか、確認しておくことが大切です。そのうえで、理事会などでよく検討する必要があります。

2.預けている金融機関の担当者を呼んで経営状態、ペイオフにどのように対応しているかを、調査します。 経営状態を知る方法は、新聞、四季報などで情報を得る、インターネットなどで企業の格付情報も調べてみるのも大事なポイントです。
■日本の主な格付け機関
格付投資情報センター(R&l)http://www.r-i.co.jp
日本格付研究所(JCR)   http://www.jcr.co.jp

■米国の主な格付機関
ムーディース・ジャパン http://www.moodys.co.jp

3.今回は、預貯金以外の金融商品についてはふれませんでしたが、「修繕積立金」は元本割れが許されないという大前提を考えながら、対応を考える必要があります。

4.住宅金融公庫が行なっている「修繕債券積立金制度」を利用するのも対策の一つです。保護の対象になり、購入債券を無料で保管してもらえる等、安全で大きなメリットがあります。ただ、住宅金融公庫が特殊法人改革の対象のひとつとなっており、この制度が継続されるのか心配です。

5.管理組合では、とりあえず普通預金にして、様子をみながら対策を検討するところもあります。


●損失が出たら理事長等の責任は?
弁護士等によれば、通常の注意を払っていれば問題はありませんが、経営が危機であることが一般的に広く知られているのに、預けかえなどしないでいると、最悪の場合、理事長等は賠償責任を問われる可能性もあります。

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