豊島病院の区移管問題についての、
板橋区長の議会への報告(全文)


関連リンク:都立豊島病院の板橋区への移管を、区が事実上断念

「都立豊島病院の板橋区移管に関する東京都と板橋区の協議会」のまとめを踏まえて、都立豊島病院の板橋区移管の問題について、ご報告いたします。

 東京都は、平成13年12月に当時16施設あった都立病院の改革を目指して「都立病院改革マスタープラン」を発表いたしました。

 その中で、板橋区内にある豊島病院と老人医療センターの2つの都立病院については、統合して民営化する方針が示されておりました。

 板橋区としては、このマスタープランへの対応として、豊島病院については、板橋区が運営することにより、自治権の拡充が図れること、保健・福祉・医療のなお一層の連携が図れること、災害時の拠点病院が確保できることなど、様々なメリットが考えられることから、区の移管することを検討していきました。

 一昨年11月には、東京都へ「豊島病院の区立病院化の実現に向けた検討に関する要望書」を提出し、移管の実現に向けて協議に入るよう要望もしております。

 これを受けて、昨年3月には都区間で「都立豊島病院の板橋区移管に関する東京都と板橋区の協議会」を設置し、移管時期や病院の運営形態、資産の取扱など、移管に向けた課題に関する協議を開始いたしました。

 それ以来、都区の協議を続けてきましたが、土地・建物などの資産をどのような条件で移管するかという「資産の取扱」で意見が整わず、協議がなかなか進みませんでした。

 今回、ようやく最終的なまとめが報告されましたが、やはり一番の問題になっていた「資産の取扱」については合意に至らず、都区双方の主張が併記された状況になっております。

 板橋区の主張は、昨年の12月に区議会にもお示ししたように、原則無償譲渡又は無償貸付、仮に有償でも1年あたりの負担額が3億円で、企業債の償還が終わる平成41年度末までの負担とするという考え方であります。

 一方、東京都の主張は、現在の豊島病院の資産額による譲渡、具体的には企業債残債総額の承継、平成41年度末まで年13億9千万円の負担ということであります。

 従って、両者の主張には大きな乖離があり、東京都の主張する条件が変わらないのであれば、現在おかれている板橋区の財政状況からは、豊島病院の区移管は大変厳しいことになりました。

 そこで、最終の協議会でも、都の条件は今後も変更がないのか確認をいたしましたが、「変更はない」というのが東京都の回答です。

 このようなことから、協議会のまとめの東京都の条件を前提に、都立豊島病院を最終的に板橋区に移管するか否かを判断せざるをえない状況になっております。

 区議会の議員の皆様にも相談させていただき、大変ご心配をいただきましたが、私としては、豊島病院の資産移管に関する東京都の条件は、板橋区にとって財政的に対応できる範囲を超えており、都立豊島病院の板橋区移管は断念せざるをえないと判断いたしました。

 従って、区立病院を実現することはできなくなり誠に残念ではありますが、この間、板橋区が初めて医療について検討したことにより、自治権の拡充に向けての行動を起こしたこと、地域に必要な医療の内容が明らかになってきたこと、区内の様々な医療機関・医療関係者などと連携が図れたことなど、一定の成果も得られました。

 また、今後東京都は板橋区への移管ができない場合、豊島病院について改めて検討しなおすと言っておりますので、板橋区が検討を進めてきた結果を踏まえて、区民にとってよりメリットの大きい医療を実現するよう東京都に要望してまいりたいと思います。


日本共産党板橋区議団