本会議での小林おとみ議員の条例修正案の賛成討論

 2001年度の政府予算案が衆議院を通過し、年金の賃金スライドの停止、老齢福祉年金は年間41万2千円据え置き、1月からの医療費の引き上げの継続、さらに10月からの介護保険料の全額徴収も確定的となりました。国民健康保険料の引き上げも提案されており、高齢者、特に低所得者の生活苦は深刻さを増すばかりです。暮らしに困っている人をどう救うかは、区民のいのちと暮らしに直接責任を負う地方自治体の第一の仕事であり、その責任の重さは一層重大になっています。
 介護保険料の徴収が開始されて、半年が経とうとしていますが、「年金からの天引きには本当に腹が立つ。これ以上どこを切りつめろと言うのだ」という声はやみません。普通徴収の収納率は7割強のまま推移しており、すでに保険料を払えないまま、制度から排除されている人が生まれているのが現実です。
 保険料の低所得者への対策を自治体が独自で行うことは制度の根幹を揺るがすものだという議論がありますが、はたしてそうでしょうか。
 介護保険は、65歳以上の高齢者の7割を超える住民税非課税者からも、保険料を徴収することとしたために、低所得者の負担をどう軽減するかは、スタート時点から大問題でした。5段階に定額で設定された保険料によって、第2段階、第3段階の方、住民税非課税者の方の中には、無年金、無収入の人まで含まれ、そのために、無年金、無収入、老齢福祉年金より少ない年金しか受け取っていない人、生活保護基準以下の生活実態にある人の保険料が、生活保護受給者よりも高いという不公平が生み出されています。さらに低所得者ほど負担感の重い逆進性をも生み出しているのです。
 これらの問題が当初から懸念されていたために、制度開始の昨年4月の時点で、すでに自治体独自の低所得者対策を打ち出した自治体が、厚生省の調べで、全国で、保険料では141、利用料で248自治体にものぼりました。今年1月の全国民医連の調査では保険料で258、利用料で410自治体にまで、さらに広がっています。先日私ども区議団は神戸市を訪問しましたが、神戸市では、保険料の計算の段階で当初から低所得者対策月25円、年300円を盛り込んだ保険料の設定をし、具体的な支援策に足をふみだしています。厚生省も了解済みとの話を聞きました。自治体独自の低所得者対策は制度の根幹をゆるがすという論拠は崩れていることを実感しました。
 板橋区においては、第1、第2段階、住民税非課税世帯が全国平均よりも高いという実態をふまえるならば、負担能力に応じた保険料の設定を求める区民の声に応えて、低所得者への保険料軽減にむけた検討を開始すべきです。
 介護保険は地方自治体が保険者となり、住民参加で事業計画や条例を作り、サービス量と保険料を自治体で決める、地方自治の試金石といわれてきました。開始された制度の矛盾によって、直接住民が生活困難を訴えている現実が生まれているときに、制度の見直しは3年後だといって、手をこまねいていて良いものでしょうか。区長会として国にさらなる低所得者対策を求めているのであるならば、自ら責任をもつ板橋区で低所得者対策に道を開く準備を進めるべきではないでしょうか。(一部省略)

 

自民党の川口まさとし議員の反対討論

 介護保険制度は、人口の高齢化が世界にも類を見ない速さで進行しているわが国の現状を踏まえ、要介護高齢者の生活支援すなわち深刻な介護の問題を、社会が連帯して根本的な解決を図るために創設された公的な社会保険方式による制度であります。
 言うまでもなく、本制度は昨年4月に全国一斉に実施され、同一の基準によって運営されなければならないものであります。
 保険料・利用料の負担の問題については、公的な保険制度であることから権利と義務の関係上被保険者等から広く浅く負担を求めることは、やむを得ないものであると考えるところです。
 低所得者対策としても、経費の半分を公的に負担した上で、所得段階別保険料の設定や生活保護制度による支援策、災害等一時的な生活困窮時の減免制度の導入、高額介護サービス費の支給等によって客観的に講じられているところです。
 更に、低所得者利用者負担対策として、ホームヘルプサービス利用者に対する経過措置や、社会福祉法人による生計困難者に対する利用者負担の減免策が講じられているところであります。これ以上の施策を一保険者である板橋区が独自に講じることは、保険制度そのものの根幹を揺るがしかねないものと考えます。
 議案第48号「東京都板橋区介護保険条例の一部を改正する条例」は、保険者として本制度の着実かつ安定した運営責任を負い、日々その努力をされている区長の立場を危うくしかねない要素を含んでいると言わざるを得ません。
 従って、議案第48号「東京都板橋区介護保険条例の一部を改正する条例」の制定に反対の意見表明を行いまして、討論を終わります。