委員:扶桑社の本は非常に読みやすい。神話が多くややもすると史実と神話を混同す る恐れがある。帝国書院のは、与謝野晶子の「君、死にたもうことなかれ」の歌を反 戦の歌であると強調して取上げているのも問題である。特攻隊員の遺書も重すぎる題 材ではないか。
委員:一番無難なのは東京書籍かなという気がする。南京事件に関して日本書籍とか 清水書院は数字まで出して、記述されている分量も多い。東京書籍や帝国書院は多く は割いてはいない。
委員:日本書籍は、民衆の支配とか、民衆が立ち上るという記述が多いのと南京20 万とか、扶桑社とはまた違う偏りが感じられる。
委員:私もやはり日本書籍、清水書院は南京事件とか、15年戦争というまだ定説化 されていないことを、書かれたりしていて、一方的な見方が強いんじゃないかと言う 気がする。逆に扶桑社の方は読んでいて大変おもしろい。(だが)急にこの教科書を もちこまれると先生も生徒も戸惑う面が少しあるのではないか。東京書籍か帝国書院 かという感じでしょうか。
委員長:今のところ東京書籍、または帝国書院ということでだいたい固まってきたよ うでございますが、話し合いの中できまればいいのではないか。
※このあと、教育委員長は3人の教育委員の発言をとりまとめて帝国書院にする仮採 択を決定した。
(「要約」は区議団の責任で行いました。)

  中学歴史教科書について、6月から8月6日までによせられた意見は扶桑社のものを 不採択にすべきとの意見が120、採択が7、その他が6でした。 今回の採択経過は、教科書を実際に使用する教師の経験と見識を排除し、教育委員会 が密室(秘密会)で決定した。上記の要約は8月22日入手した議事録の一部です。 検定済みの教科書の中から、現場の教師が教材として使いやすいものを選び、教育委 員会が決定するというこれまでの方式が排除されたため、教師の専門的な意見は事実 上無視されることになりました。
 小泉内閣のもとで、侵略戦争は「正しかった」と合理化する流れが際立てっています が、板橋区の教育委員の発言もまた注目すべき見解です。「つくる会」は次回採択で のリベンジを宣言し、3年後の小学校教科書採択への参入を表明しています。 また、23区全体の採択状況を見ても、扶桑社を採択しなかったものの、教科書全体 の侵略、加害記述の後退や、その記述が少ない教科書の採択が多くなるなど、扶桑社 を採択しなかったから良かったと単純には言えない多くの問題点が浮かび上がってい ます。



検定済みの教科書の中から、教師が実際に使う上で使いやすい教科書を選択してもら うアンケートでは、日本書籍が40%を占めましたが、教育委員の議論ではまったく 考慮されることはありませんでした。