計画はなぜ破たんしたのか

 1986年に「浮間舟渡駅周辺地区地区計画」が、高さ制限を設けるなど住民参加 でスタートしました。ところが、その5年後には20mの高さ制限を解除し、「再開 発計画」として区は再開発準備組合を設立させ、都市計画のやり直しをおこないまし た。約16億円分の保留床処分には、東京都の「城北地域中小企業振興センター」の 誘致をあてにしてすすめられてきました。ところが、東京都は三多摩地域に振興セン ター設置を決定しました。そのため、再開発組合と区の描いた青写真が破綻しました。  区は、これまでこの再開発計画には「税金を投入しない」と繰り返し答弁してきま したが、来年7月の工事完了スケジュールと国への予算要望期限の関係から、区が保 留床を税金で買い上げざるをえない状況に追い込まれました。

破たんをくいとめる機会はあったはず

 不況化のもとでの再開発計画では、保留床の処分が計画の成否にかかわります。今 回の事態は、*保留床処分の不確定部分をあいまいにして、なし崩し的に計画をすすめ たことに原因があります。破綻を食い止めるチャンスは少なくても二回あったはずで す。
 都市計画決定する前に保留床処分について確定しておくぐらい慎重さが必要だった のに、都市計画決定(98年)を優先したこと。東京都の中小企業振興センター構想 の変更の動きに対応せず、2000年4月からの工事着工を見きり発車したこと。 (東京都は7月に三多摩振興センター設置を発表し、浮間舟渡地区への設置について は言及せず。)
 区議会では、都市建設委員の山内金久区議が、繰り返し厳しく警告して破綻の危険 性を指摘してきましたが、事態の深刻さを議会に明かにしてきませんでした。    

*「保留床」とは、再開発ビルに余分にビル床をつくって地区外の第三者に売り、ビ ルの建設費、再開発事業費を回収するために確保するビル床のことです。浮間舟渡駅 前再開発計画の保留床処分では、約16億円分の保留床が買主不確定のまま、すすめ られていました。



住民要望実現という体裁で
税金投入を合理化した当初計画「破たん」の結末


 保留床の規模は約1948平方メートル。ここに、保育園、産業支援施設、いこい の家をいれようというのが区の計画です。保留床本体の買い取り価格約16億円に区 施設内装工事費を含めて約20億円前後の税金投入となることが予想されます。  9月区議会に舟渡町会長名で、区の公共施設(保育園、いこいの家、産業支援)を 設置するよう陳情が出されました.。しかし、区側ではすでに保留床部分にこれらの 公益施設配置図面案まで用意しています。

補助金、負担金を含めると税金投入は
最低でも34億円をこえる


 この再開発には、前号報告の保留床分の穴埋め16億円のほかに、補助金分17億円、
負担金1億円あわせて34億円の税金が投入されます。そのうち、区は22億5千万
円プラス保留床につくる公共施設の内装費分を出費する考えです。
 ※1 補助金 17億9百万円(国8億55百万円、区8億55百万円)
 ※2 負担金 1億2百万円(区全額)