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ただいまから、日本共産党板橋区議会議員団を代表し、議案第1号「2009年度東京都板橋区一般会計決算」、議案第2号「2009年度東京都板橋区国民健康保険事業特別会計決算」、議案第3号「2009年度東京都板橋区老人保健医療特別会計決算」、議案第4号「2009年度東京都板橋区介護保険事業特別会計決算」、議案第5号「2009年度東京都板橋区後期高齢者医療事業特別会計決算」に反対する討論をおこないます。
自公政権の「構造改革」は国民に貧困と格差を広げてきました。板橋区で見ても、生活保護世帯の数は、10043世帯。2009年度3月には11369世帯と、昨年度1年間だけでも、1326世帯増13.2%増という状況でした。民主党政権に移っても、その増加傾向はとどまるところを知らず、今年の10月時点では11987世帯と、さらに増え続けてます。一番増加率を示しているのは「その他世帯」つまり「リストラや廃業、倒産などを原因とする急激な収入源による生活保護申請でした。
特別養護老人ホームの待機数は1935人にのぼっています。
保育園の待機児も481人と23区でトップクラスであり、貧困が広がる中で、子どもを保育園に預けて働きたいという親が急増しています。
景況調査によると、区内中小企業は、製造業、サービス業、建設業は前期も今期も来期も最悪のGランクの「不調」です。長い不況の中で必死に頑張ってきた区内中小業者の中に、もう限界だという声が広がりつつあります。
区営住宅はこの10年間に新設、増設はなく、募集戸数と応募倍率は2007年度が3戸に対して114倍、08年度は1戸に対して238倍、09年度は2戸に対して112.5倍です。高齢者住宅けやき苑は、04年度の大谷口上町で23戸の新設のみで、募集戸数6個に対して39・1倍です。
ちなみに都営住宅の世帯用あき家募集は1戸の募集に対して147倍の応募倍率です。
少なくない区民から「住み続けられない」との声が広がっているのです。
暮らしの厳しさは、国民健康保険事業にも現れていました。2.5世帯に1世帯が滞納世帯という、高すぎる保険料を払うことのできない事態が広がっていました。
板橋区の2009年度の決算は、こうした区民の暮らしの深刻な実態にこたえることができたかどうかが問われていました。
まず、第一に福祉費についてです。
区は「福祉費が51%」ということをもって、福祉要求に応えているかのようにいいますが、内容を見れば、生活保護費の急増に加え、児童手当等への支出など、こうした国政の影響の元でふくらむ福祉費を差し引くと、福祉費は一般会計に占める構成比率は約23%という水準でしかありません。また区の資料によっても福祉費の内、区単独事業の占める額はたったの1.7%、約15億円でしかありません。石塚区政時代からの刷新計画により、単独事業は次から次へと削られ、板橋区の福祉事業というのは、依存財源でほとんどが占められていることがはっきりと示されています。
さて、この間の決算審査で、もう福祉費で削るところがないからか、生活保護費の削減が強く要求されていました。しかし、この生活保護急増というのは、この間の政治がもたらした事態です。その費用が増すのを止めるということは、国政に見放された区民を区も見放すことに直結です。区は窓口の委託化を答弁していましたが、自己責任論を押しつけられ、心を病み、ようやく助けを求めて福祉事務所の窓口にたどり着いた人を、窓口で機械的に委託業者が対応することは、最もやってはならないことです。窓口の専門性の強化、充実、そして福祉事務所の職員の配置の増こそ急務の区の責任だということを改めて強く指摘しておきます。
国民健康保険事業においては、高い保険料を作り出しているのは、国の支出が大きく減らされきたことが最大の要因であっても、区民の医療を受ける権利を奪う資格証発行は、やってはなりません。滞納している保険料を納めてもらうことと引き替えに、命を守る権利を奪うことは絶対に許されることではないからです。この間、資格証交付の考え方を改善してきたことは一定評価しますが、資格証発行しない区の姿勢を強く求めておきます。また、来年度からの賦課方式変更に伴う保険料の負担増は、なんとしても避けることを要望しておきます。また、高すぎる国保料を払えなくて、ますます医療を受けることができない事態が広がる恐れが、広域化によって強まってしまいます。坂本区長が真に区民の命最優先というならば、広域化に反対することこそその姿勢を貫く原点だということも申し上げておきます。
高齢者の暮らしについてはどうでしょうか。第4期事業計画の初年度となった介護保険事業では、経過措置が無くなり、せっかく多くの人の保険料が引きさがっても、この間の税制改革の影響を大きく受けた人たちには、介護保険料増額となってしまいました。区独自の保険料軽減事業の要件を緩和するなど、区としての軽減を図る姿勢が必要でした。また、高すぎる利用料負担に、必要な介護を受けられない事態も広がっています。結局、家族介護、老老介護が深刻になるばかりです。区独自での保険外介護の実施、さらに家族介護への支援金支給などの実施は、待ったなしとなっています。
75歳以上を強制的に切り離し一つの医療保険に加入させた後期高齢者医療制度と老健についてです。そもそもこの制度はいかに高齢者にかかる医療費を抑制するかを前提に進められてきた制度です。区は、保険料を納めることのできない高齢者から、医療を受ける権利を奪ってはいけないと、短期証の発行をしていないことは、自治体として当然の判断であり、評価します。今後は、こうした差別医療制度自体を早急に廃止するため、全力で努力する姿勢を強く求めておきます。
障害者施策においては、三園福祉園の建設がすすめられましたが、現在の環境改善を強く求めておきます。
子育て施策についてはどうでしょうか。保育園の待機児対策は民間頼みの姿勢に終始する一方で、区立保育園においては、用務業務の委託化を7園で開始しました。都の労働局から職員を招いて、偽装請負にならないための勉強会までやり、保育現場の声を無視して強行されました。
議会で、全会派一致で採択されている「産後1か月健診事業への助成」制度創設は拒み続けています。生まれたばかりの乳児と産後1か月の母親の健康にとって重要な健康施策を、拒み続ける区の姿勢は、あらためて区民の「いのち」の軽視と、議会軽視という批判をせざるを得ません。
中小企業対策は緊急を要する事態になっています。
区としても、区内製造業実態調査をやりました。しかし、実態調査で明らかになった、中小企業への施策が計画化されていないことは問題です。緊急に「直貸し」融資や固定費への補助などを実施すべきでした。
次に、住宅施策についてです。公営住宅については、強い区民要望があるのを認めながら、区営住宅の新・増設の考えがないことを改めて表明しただけでなく、都営住宅の新・増設について、東京都への要望すらしないとの答弁です。低収入、低年金にもかかわらず公営住宅に入れない区民の家賃助成の求めについては、区経営刷新計画により金銭給付的事業は廃止したものであり、復活は論外との姿勢はとうてい認めるわけにはいきません。
この区の姿勢は、区の都市計画マスタープランの「高齢者や障害者が安心して安全に住み続けられるため、公的住宅などの供給を図ると共に、家賃助成などのソフト施策を合わせて推進する」とした住宅整備方針とも大きく違えるものであることを厳しく指摘しておきます。
災害対策、首都直下型地震への区の備えは全く立ち後れています。
マグニチュード7クラスの地震が今後30年以内に発生する確率が70%程度と推定されています。地震発生から5分間が生死を分けるといわれている中で、何よりも避難者を少なくするための住宅の耐震化や危険ながけや擁壁、ブロック塀の改修などが緊急に求められています。にもかかわらず、遅々としてすすまないのが現在の状況です。都の被害想定に照らしても事態改善は一刻の猶予も許されないのです。「事前復興という視点」から、これまでの助成制度などの取り組みを抜本的強化し、重点的に取り組むことを強く求めるものです。
次に、なぜ、区民のこうした切実な要求に真正面から応えることが出来なかったのか、区政のかじとり、基本姿勢が厳しく問われなければなりません。
その第一は、税収が大きく落ち込むことは当初から想定されていたにもかかわらず、区は昨年11月突然、緊急財政対策を行いました。主体性のない、場当たり的な財政運営です。不況対策としての「雇用創出・地域経済活性化総合対策」さえ「緊急財政対策」によりばっさりと削ったのです。そもそも、事業に与える影響や事業の存廃にまでつながることなどまったく考慮なしに、財政課中心のトップダウンで行われ、決算では歳計剰余金は45億円となり、基金へのさらなる20億円の積み増しさえ行われる結果となりました。
第二には、区役所南館改築問題です。独断専行、拙速な「改築ありき」のスケジュールであったために、不要な区財政が支出された上、区民には無用な不信を広げました。耐震診断を実施し、多面的検討したこれまでの経過を、区民に十分に説明をしたうえで審判を受けることを求めます。
第三には、上板橋駅南口再開発問題です。旧公団が計画用地として取得してから30年、都市計画決定してから6年余が過ぎ、税金が5億円を超えてつぎ込まれてきました。住民合意なしのまちづくり行政の失敗事例であります。真に住民,関係権利者の合意できるまちの将来像構想づくりからの丁寧な取り組みを求めるものです。
第四には、区職員による相次ぐ不祥事問題です。とくに教育委員会元職員の不正事件については、実質上、業者にだけ責任が押し付けられたことは重大であります。
また、区立中学校私費会計使い込み事件や福祉事務所、国保年金課徴収員などの不祥事が相次ぎました。事件をおこした当該職員に責任があることはいうまでもなありませんが、日々の管理監督が問われています。
第五には、公務労働の広範なアウトソーシング、外部委託化は、職場において同じ仕事をしながらも雇用形態や労働条件の違う労働者・職員を大規模に混在させました。そのもとで、区民に喜ばれてきた行政サービスも「費用対効果、コスト削減」を基準に経営刷新計画でばっさり削減されてきました。
区の職員が、正規、非正規問わず地方公務員として「全体への奉仕者」として住民の福祉向上のための公務労働に情熱も使命感も持てないでいるのではないでしょうか。メンタルヘルスを必要とする職員が増え続け、幹部職員への登用を希望しないという事態を直視し、公務労働の雇用は原則、正規雇用とするべきであることを改めて求めるものです。
最後に、どうすれば、区民生活の困難に立ち向かうことが出来るのかという問題です。本来区がやるべき仕事をいかにへらすか、区の事業をいかに民間に任せていくか、そして、いかにお金を余らせて、積み立てていくかを最大の目的にした区政運営は根本から転換しなければなりません。これらの大本になっている板橋区経営刷新計画の転換をしなければならないということです。
基金については、決算時点では区政史上過去最高額の522億円を積み上げであります。
区民に貧困が広がっている今こそ、この基金を活用して、区民の暮らしをあたため、中小零細業者のくらしと営業を支えることにしっかり活用することを求めるものです。そして、そのことが、今後の板橋区政の発展にも大きく寄与することだということを、強く指摘するものです。
以上で日本共産党区議会議員団を代表しての、2009年度板橋区一般会計、ならびに4特別会計の決算に反対する討論を終わります。
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