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ただいまから日本共産党板橋区議団を代表し、「議案第59号 東京都板橋区中高層建築物の建築に係る紛争の予防と調整に関する条例の一部を改正する条例」の可決を求めて討論を行います。
なお、この議案は私たち日本共産党とともに生活者ネットとの共同で本定例会に提出したものです。
今回の条例改正案は、現行の「板橋区中高層建築物の建築に係る紛争の予防と調整に関する条例」の一部を改正し、条例の目的である建築紛争の予防と調整の実効力を高めるためのものです。
現行条例第5条の3では「建築主等と隣接住民、近隣住民または特定隣接住民は、前条第1項または第2項の規定によりおこなった話合いにもとづき合意した事項について、相互に確認するものとする」と定められています。改正案は、この現行条例の理念や目的を何ら変えることなく、これに「書面にて」の4文字をくわえ、「書面にて相互に確認するものとする」と合意事項の確認方法をより明確にするものです。
この条項は平成16年3月の条例改定の際にもうけられたものですが、それより以前の平成15年10月に区議会に報告された区の原案では「建築工事または除却工事の着手前までに工事協定の締結に務めるものとする」という、より厳格な規定になっていました。
その後、この原案について、区内の建設や宅建にかかわる「業界団体から意見があった」との理由により、区議会に報告された原案の表現が変えられ現行の規定になったものです。
現行条例の規定では、「工事協定の締結」はもとより、合意確認の方法すら規定されていないため、建築主と近隣住民らがせっかく話し合って、合意に達したとしても、双方ともにあとで合意した内容を確認することもできません。
これでは、紛争を予防するどころか、合意したはずの事項についての認識のズレから、いわゆる「言った、言わない」という新たな紛争の火種となりかねません。
じっさい、2008年度、2009年度に、区長が調整した紛争22件中、「約束事項」が「提示」できたのは半分の11件にとどまっています。「約束がちがう」と区長に調整を申し出ようにも、紛争当事者が相互に確認できる「約束事項提示」も「書面」もなければ、申立ての内容を証明できず、互いに納得できる客観的な調整はほとんど不可能です。
私たちは今回の改正案提出にあたって、6年前の前回改正の際、区に意見を述べたとされる板橋区建設業協会や、宅地建物取引業協会板橋支部、建築士事務所協会板橋支部などの役員に意見をお聞きしました。
そして「合意したことを書面でかわすことは当たり前のことです」という意見や、「後で言った、言わないということでトラブルになったら、かえって仕事が進まなくなる」という意見を聞くことができました。
このように、「書面にて」と合意が確認できるようにすることは、現行条例の目的からみて必要なことです。
ところが、都市建設委員会における審議では、この改正案は否決とされてしまいました。しかしこれは、現行条例に対する誤解にもとづく誤まった決定であるといわなければなりません。
反対された自民党の委員は「法律との整合性、それから、そこに参加してくる住民の関係がたいへん心配だ」と申しました。
また同じく反対された公明党の委員は「建築基準法という法律のルールを踏んで建築確認の下りた物件をそこまで規制する必要がない」「様々な意見の住民と合意して、文書化するのは事業者にとって大変だ」と申しましたが、現行の条例も、建築基準法との整合性を保ちつつ、住民との話合いとそれにもとづく合意を定めており、「書面にて」の4文字を加えたとしても、条例の性質そのものはなんら変るものではありません。また「文書化するのはたいへんだ」といっても、記録となる文書も残さずに、現行条例が求める合意を得るのは、かえってたいへんではないでしょうか。
また「住民側が納得できなければ民事訴訟がある。法のなかでたたかうのが正しい」という発言もありましたが、これでは、紛争を事前に予防し、紛争になっても「相互の立場を尊重し、互譲の精神をもって、誠実かつ自主的に解決するよう努めなければならない」という現行条例の目的・理念を真っ向から否定する主張となってしまいます。
今回の改正案に反対された委員の理由のすべてが、「書面にて」を加えるという改正案の内容についてではなく、現行条例が現に規定していることに対しての異論でした。これでは、改正案自体について十分な認識をもっていただいたとはいえない状況です。
私たちは改正案の内容について十分な理解を得たうえで、ご決定をたまわりたいと継続して審査することも求めましたが、同じく継続審査を主張された民主党・市民クラブの委員は「ほとんど確認というのは、文書で相互が印鑑を押して確認するという話なんです」とおっしゃいました。改正案は捺印まで求めているものではありませんが、ほんとにそのとおりで、それが世間一般の常識であると思います。
だとしたら、世間の常識に即して条例を改正することが、ますます必要ではないでしょうか。
私は、現行条例の意義を否定するような主張をするのではなく、現行条例をより実効性のあるものにするためには何が必要かを、ぜひ議員各位にご判断をしていただきたいと思います。
あらためて、みなさまのご賛同たまわります事をお願い申し上げ、私の討論を終わります。
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