|
それでは、時間の関係もありますので、教育問題について質問したいと思います。
昨日、松崎委員が雑木林と針葉樹林の話をしましたけれども、専門家の方からあの使い方は間違っているんじゃないかというご意見をいただいたときに、それをきちっと受けとめる姿勢が区は必要だと思うんですね。ですから、そういった声を真摯に受けとめる姿勢が板橋区は本当に大事なんだと思います。まして教育行政なので、そういったことを抜きにして改革は語れないというふうに思います。
私が質問するのは、教育改革の中身を少しお伺いしたいと思います。
教育改革で思い出すのは土佐の教育改革です。1996年に始まりました。これは名前はいろいろあるそうですけれども、開かれた学校づくり推進委員会ということで、構成は保護者、地域住民、教職員と、そして児童・生徒が必ず入る。大人の中に入るので子どもが半数を占める。
ここで何が行われているかといいますと、委員会が始まる前にですね、例えば生徒会から保護者や教職員に、教職員から保護者や生徒たちに、また逆という形で構成しているということで、例えばこういった話もあったそうです。保護者から夏休みの補習をちょっと強めてもらいたいんだと。ところが子どもたちがそれは嫌だと。そういう意味では事前の話があって、そういう中で構成されている。つまりここでは、改革のパートナーというのが子ども中心に座っているということなんですね。保護者の方からは、学校が変わっていくのがうれしいと。子どもたちも、自分の声が反映されるのがうれしいと。生き生きとした改革として有名な改革となっております。
板橋はですね、余り理念も見えませんけれども、2005計画というのは簡単に言いますと、それぞれの学校に授業方法の工夫やその他を選択してもらう。選択してもらった上でそれをやってくださいと、その結果もどうなるか報告してください、こういう仕組みになっているんですね。
これは私の意見ですけれども、この特徴は、学校長の権限が非常に重くなっている。もう一つは個々の学校あるいは子どもたちの自己責任がかなり強調されている。この2つに集約されるかなというふうに思います。
それで、例えば学校長が選択するものの中に、土曜日の補習ですとか、部活にはすべての教員が名前を連ねるとか、小学校の英語授業とか、2期制とか、こういったものの中から選んでくださいというふうになっています。
それでは少しお伺いしますけれども、土曜日の補習については、さまざまなアンケート調査でも、子どもたちは、眠い、横になって休みたい、大声を出して暴れたい、こういう項目が非常に大きいんですね。そういう意味で子どもたちにもストレスがたまっているはずなんですけれども、なぜ土曜日の補習が選択の例示としてあらわれたのか、お示しください。
○教育委員会事務局次長
それでは、ICPの中で土曜の補習の関係についてのお話がございました。私どもで提示をした例示の中に土曜授業プランというものも入っておりますけれども、これは、土曜日に学校行事等を実施し、保護者や地域の方がより積極的に参加できるようにするというのが1つあります。それから、土曜日に補習を実施することで基礎基本的な内容の一層の充実を目指して学力の向上を図っていくということをねらいとしているところでございます。
○大田(伸)
そうしますと、現行の学習指導要領の5日間でやる授業内容だけでは不足だと考えているんですか。
○教育委員会事務局次長
これは1つの学校ごとの考え方なり進め方にもよると思いますけれども、教育課程の全般の中で、土曜日をやるかやらないかというのは全体的な進め方の状況にもよります。そういったところでですね、土曜日の活用が必要だというふうな学校の状況によっては、こういったことがとれるというふうな考え方でございます。
○大田(伸)
ですから、そういった選択をした学校というのは、普通の平日の授業、学習指導要領に基づく授業だけでは不足だということなのかということを聞いているんですよ。
○教育委員会事務局次長
私ども先ほど説明いたしましたように、授業を土曜日にやるということではなくて、学校行事だとか、あるいは補習という形でございますので、正規の授業については土曜日以外の部分でこれは十分対応できるということでございます。
○大田(伸)
補習は、皆さんがご答弁なさっているようにシステム化はできないと、しかし選択制はできると、二、三時間でね。そういう中でこういった補習をやるということについては、先ほど土佐の話をしましたけれども、保護者、教職員、子どもたちの合意が前提になりますよね、当然。その合意はどういった形でつくられていくのかなと思うんですね。見解を。
○教育委員会事務局次長
補習ということで、当然希望する児童が参加をするということになりますけれども、その合意のとり方については、校長の方で投げかけをして、そして説明をし、理解を得ていくということになります。
○大田(伸)
ですから、先ほどちょっと舌足らずでしたけれども、校長先生はこういったことをやるときに、必ず教職員や父母、子どもたちの合意が前提となりませんかと言っているんですが、いかがですか。
○教育委員会事務局次長
基本的にはそういう形で、合意を得ていくという形になります。
○大田(伸)
基本的にはって、私はよくわからないですね。こういったことをやるときは合意をきちっととってもらうというのが教育委員会の指導の立場だというふうに私は思いますよ。ですから、こういった新たな選択をするというところには、そういった形の指針をきちっと示すと、明確に示すと。こういう話は校長の裁量でやってしまう場合があるわけで、それが子どもたちにどういうストレスを与えるのかを含めて大きな問題になり得る可能性があるから言っているわけで、その辺はきちっとしていってもらいたい。
それから、あわせてついでに聞いておきますけれども、例えば補習、この場合の補習は教員の実質的な処遇についてはどういった形になりますか。ただで働くのか。
○教育委員会事務局次長
補習に参加をする教員の処遇ということでございますけれども、これは振替等の形で手当をしていくという形になるわけでございます。
○大田(伸)
基本的には、今の段階ではそれしかないと思うんですよね。振替でやるしかない。ところがですね、週休2日制を損なわないというのが大前提ですので、そうしますと将来的にも、処遇と言ったのは振替だけじゃないんですよ。都の教育委員会がこの問題で議論しているのをご存じだと思いますけれども、こういった処遇、つまりお金ですね。そういう形も今後検討する課題なんだと言っているわけですね。板橋区はそういったシステム化された補習ではないと、ここで言い切れますか。
○教育委員会事務局次長
教員の処遇についてのお話ですけれども、教員の場合は教職調整額というものが支給されておりまして、勤務が通常の我々行政職とは違いまして特別な形になっております。そういったことが基本にはございます。
○大田(伸)
基本的にはですね、私は特に教職員の団体ですとか組合ですとか、つまり勤務条件がそれを選択すれば変わるわけだから、そういったところとの合意が最低でも、労働条件の面で言えば必要だと思うんです。だから、学校長の裁量だけで云々できるという話ではないというふうに思うし、それを学校長が選択をしてやるとなれば、労働条件の問題についての話は、私は教育委員会がきちっと責任を持った見解なり対応を持っていないと、個々の判断になってしまいますよと、その点についてはどうなのかということを聞いているんです。
○教育委員会事務局次長
そういった意味での責任ある立場は私ども持っておりますので、それは責任を持って当然対応してまいります。
○大田(伸)
それで、選択の中に部活の問題もあるんですね。部活は、今回のやつではだれもが、すべての人が名前を、教員を担当に入れることができると書いてあるんですね。ところが、学校の先生はそんなにゆとりがあるんだろうかと。現実的にそんなことができるんだろうかと。もし名前をつけるというだけだったらおかしいわけで、名前がついたからにはそれだけの時間を割かなくてはいけない。今、教員はそんなにゆとりがあるんだろうか。できないからみんなつけられないんじゃないの。そうすると選択ということは、人の配置がふえていないんだから、無理やりやらせるということになるんじゃありませんか、学校長が。
○教育委員会事務局次長
確かにいろいろな業務が多いということで、非常にお忙しい教員の方が多いという状況は把握しております。そういった中で、部活について非常に保護者の要望もございますし、また対外試合などでは管理顧問が必要だという形がございます。そういったところでですね、全職員が部活に対して取り組んでいくという学校の姿勢、教員の心構えという部分もありますし、それからあと、実質的な部分としては外部指導員を拡大する中で対応していくということでございます。
○大田(伸)
教員のストレスをこれ以上大きくしていいのかというのが私の疑問なんですね。分科会でも話が出ましたけれども、教員の小学生に対する盗撮事件、指導室長はおっしゃいましたよ。この教員はどういう教員かと申しますと、朝8時前から夜10時、11時まで勤務している、土曜日も日曜日も来ている、こういう教員だと、頑張っている教員だと。それで、こういった部活を一生懸命やろうとすれば、こういった教員がたくさんふえるということですね、そういう意味では。だから、そういったことを選択すれば、教員が新たなストレスを抱えるおそれがあるんじゃないかと聞いているんですよ。そういったことを無視しては当然できないわけで、その辺についてはどのように考えているのかということをお聞きします。
○教育委員会事務局次長
私どもですね、何でもかんでもいろいろなことを学校がやるということは当然考えておりませんで、きのうもお話ししましたようにですね、学校や地域の特性に合わせて、自分たちができること、それを選択してやっていくということでございまして、部活の面についても土曜授業の関係についてもそうですけれども、やはりできる範囲でよく校内で話し合って進めていくということでございまして、一人ひとりの教員が自分の殻に閉じこもってしまわないようなことが必要だというふうに考えているところでございます。
○大田(伸)
実はですね、私はこれから学校と警察の連絡制度の質問をするんですけれども、今の話も私はちょっと関連しているなとは思うんですけれども、例えば学校と警察の連絡制度というのは、端的に言いますと、何を連絡し合うかというと、一言で言いますと、学校が知った子どもたちの問題行動の情報を整理して警察に連絡する。警察からは逮捕や補導した子どもたちの情報を学校に連絡する。
私が分科会や委員会で指摘したのは、虞犯にも至らない、そういったものも学校長の裁量で連絡することになるんじゃないか、個人情報はどうなるかと聞いたら、それは事前に保護者や子どもたちに連絡するということを言うと言いましたね。それは脅しじゃないかと私は指摘しました。後から言ったら、その連絡したことがもし間違いであっても取り返しがつかないじゃないか、子どもたちの人権はどうなるんだと聞きました。室長はですね、善意に基づく連絡制度だから何でもないと言ったんです。しかし、子どもの人権を考えたときには、こういったことに非常に慎重になるということが、私は教育行政だけでなく必要だと思いますし、教育行政だったらなおさら大事な問題だと思いますが、改めて見解を伺います。
○教育委員会事務局次長
学校と警察との相互連絡制度について、情報管理についてより慎重にあるべきだというお話、当然でございます。学校長が児童・生徒の健全育成のために必要だということで判断したものについて、何でもかんでもということではもちろんありませんで、やはり原則として当該児童・生徒及び保護者に知らせて事実確認を行っていくということが大事なことでありまして、そういった点でも情報の保護を図っていくと。警察の方でもですね、情報管理については規定に従ってしっかりやっていくということでございまして、私どもとしてもですね、今回の制度の運用にあわせて、改めて情報管理については申し入れをしております。
○大田(伸)
教育委員会、学校がですね、成長過程にある子どもたちの過ちにも満たないことも含めて、それを制度的に警察に連絡をするんだと。警察は、今度は板橋区内の警察だけじゃありませんから、全部に情報が回るんですよ。だから、これを保管しているかしていないかというのはわからない。警察の意図は、これをその子が成人になったときも活用したいと、最初にこの制度ができたときに趣旨で言っているんですよ、そういうふうに。だから、成長過程の子どもが頑張って成人しても、そういう前歴が警察に残る可能性があるんだと、だからそういうことをやっていいのかと私は問うているわけですよ。
この制度を東京都からやってもらいたいと言われたときに、教育長は直ちにサインしましたね。これは弁護士会も重大な問題だと、だからすぐには広がらなかったんです。教育長に聞きますけれども、こういった子どもの人権にかかわる問題が弁護士のさまざまな団体からも指摘されている、このような問題を調印したとき意識していましたか。
○教育長
警察との相互連絡制度につきましては、やはりこれは生徒をめぐるいろいろな事件事故が多発している状況の中で、学校だけでは対処できないという認識が強くありましたので、こうした制度を適切に運用するのであればぜひ必要であろうと、私自身判断をいたしまして調印をいたしたわけでございますけれども、他区の状況等をいろいろ聞いてみますと、今問題になっております個人情報の保護あるいは教育的な配慮、そうした部分について慎重に検討しなければならないというのが教育長会の総意でございましたので、その辺を私は十分にしんしゃくいたしまして、実施に移すまでに相当に検討いたし、そしてほぼ23区の教育長会がこのような形であれば実施に移しても問題がないであろうというような状況になってまいりましたので、板橋区におきましても実施に移したということでございます。
○大田(伸)
子どもの人権はだれが守るのか、これは教育行政者がそういった鋭敏な意思ですね、人権を本当に守るという意思がなければ、なかなか守ることはできないですね。
そういう中で、この学校と警察の連絡制度は私は必要ないと思います。なぜならこれまでの連絡でも十分に可能だからですよ。この問題は、そういう可能性があるということだけで連絡できる内容であること、もう一つは、警察自身がそういった情報を求めているからなんですよ。そういうものを本当に適切な運営ができるのかということが一番大きな問題なんですね。それを本当に実施に移していいのかというのは、私はよくよく考える必要がある。
弁護士会が指摘しましたよ。子どもが本当に成長していく支援のあり方というのは、教育行政に携わる者、教職員、保護者、みんなが納得してやらなきゃいけないと。私は最初に土佐の教育改革を言いましたけれども、やっぱり手を携えていくというのはそういうものだと思いますね。
ですから、先ほどの教員の盗撮事件、あれは後から訂正しましたけれども、大変教員に甘い、これから頑張っていける、次の学校経営を担っていける教員だからこうしましたと言うわけですよ。しかし、子どもはそういうものがないで連絡されてしまう。子どもの人権はあいまいだけれども、教員はその人の将来を見て考えるなんて、そんなばかな話はないと私は思うんですね。
そういう意味では、教育改革が本当に子どもたちの人権あるいは教員のストレス、こういったものにどう向き合うのか、あるいは不登校の多さもあるし、どう向き合うのか、そこに教育改革の一番果たさなければならない役割があると思うんですね。そういった意味で、教育改革が本当に父母や教員や、とりわけ子どもたちに歓迎されるものにしていただきたいと思いますが、教育長、いかがですか。
○教育長
お話のとおりでございまして、私ども教育改革につきましては、今回の教育改革の目的は、先ほど次長が説明をいたしましたとおり、学校の自主性を非常に尊重してございまして、すべての学校において、学校ごとに状況も異なりますので、そうした自主的な改革をやっていただきたいというような理念に基づきまして、他区でやっていること、あるいは本区でやっているいろいろなすばらしい取り組みについて、事例も紹介をしながら、それぞれの学校でできる改革を何でも取り組んでいただきたいと、そうしたものでございます。
いろいろとネーミングについてのご批判もありましたので、その辺は十分に今後考えまして、誤解を招くことのないような形で今回の改革のPRに努めてまいりたいと思っております。
以上でございます。
○大田(伸)
改革の中心は子どもでなければなりません。子どもこそ改革のパートナーといいますか、そこに本当にきちんと座っているかどうかということが、改革の中身が成功するかどうかを左右するというふうに思います。
|