板橋区はすでに行った3館に続いて7館を指定管理者制度によって企業に管理運営を代行させる。Aグループ(赤塚図書館、高島平図書館、成増図書館)は株式会社図書館流通センター、Bグループ(清水図書館、蓮根図書館、西台図書館、志村図書館)は株式会社ヴィアックスがそれぞれ選定された。8月25日、第一次の書類審査の6団体のうち5団体を第二次選定委員会の審査対象とし、9月18日、財務評価・プレゼン・質疑応答の結果、上記の二社となった。
さてとも、同じ時期の8月22日、区長決定による「指定管理者制度導入施設のモニタリング・評価に関する基本方針」が発表された。これはこの制度導入目的にそって「適切に運営されているかどうかをモニタリングし、客観的に評価・検証を行う」ための基本方針として決定されたものだ。特に重要なのは、「財務状況点検」と「労働条件点検」であって、まず「労働条件点検」は「従業員等の労働条件が、区民サービスの向上に向けて安定的・継続的に業務に従事」出来ているかを目的とする。その内容は36協定などの労使協定は適正か、残業時間の集計方法、休暇・休日の状況は適切か、賃金控除協定は行われているか、各種保険の加入状況、手続きの時期が適正か、法定帳簿等の整備、健康診断の実施、産業医の選任、業務災害への対策は適正か・・・などとなっている。
そこでちなみにAグループを管理運営する株式会社図書館流通センター(TRC)の公共図書館の求人スタッフを見ると、全国10の自治体の公共図書館用の募集をしている。募集しているのは契約社員とパートだけとなっている。これでは「労働条件点検」をする対象者がほとんどいないではないか。派遣元をチェックできないのは当然として、そもそもこの制度自体が派遣とパートで成り立っている。区の支出削減にそった労働条件がそこに必然的に存在するのだ。そこでこうした劣悪な労働条件を前提にしてこそ、「財務状況点検」によって「適正」と評価され得る。不適正な労働条件でしか「適正」な財務はあり得ない。
「モニタリング・評価基本方針」は制度導入目的にかなっているか評価する。・・・だが「労働条件点検」は選定基準には入っていなかった。現場の意見を聞くことなく「基本方針」が作られたのであろう。この「基本方針」にそって評価を受けるということは、実績を数値化することである。これではよっぽどのことがなければ次期の指定管理者を選ぶ競争性は生まれない、と言えるのかもしれない。また、労働条件の改善は指定管理者制度のもとではすすまない。従って中間の「評価」は実態と乖離したものとなるだろう。