公の施設の使用料は低廉でなければなりません。
それは、租税で建てられた施設の利用については、特定の受益者のためにあるのではなく、使用料が全住民による反対給付という性格をもつからです。地財法第27条4においては明確に「住民に対し、直接であると間接であるとを問わず、その負担を転嫁してはならない」として、税外負担を排除しています。従って、原価コストを算定する場合は極めて厳密に法の趣旨に照らしてどうかということが検討されなければなりません。
区がこれまで原価計算に人件費相当分を算入するとした理由は、委託料に人的経費を算入している課があるということでしかありません。しかし、委託料は厳密には物件費であり、故に管理維持の一部が委託されていたとしても使用料については手数料と明確に区別されるべきものです。それでなければ使用料と手数料を区別する本来の意味が失われてしまいます。
原価コストに減価償却費(資本費)をいれることはさらに重大です。区は、過去の使用料・手数料検討委員会報告書においても、あたかも原価コストに算入が可能であるかのような表現を用い、今回、人件費、消費税と合わせて算入しました。しかし、どのような見解に基づいて可能なのかという言及がありません。
大田区では「公共施設は住民の財産という考え方から、その建設にかかる全ての経費は税金でまかな」うため、「土地取得費、建物建設費(減価償却費)については使用料算定の基準となる原価に算入しないことが妥当である」とした定義を受け入れています。また、費用の発生と現金の支払いが一致しない減価償却費などの発生主義的費用は資金の流れが不明確であり、受益に応じた負担を求めるには適さないと定義するなど原価コストの算入にあったっては理由を付して、住民に説明責任を果たしている自治体もあります。
区は、算入する立場に立つのですから、なぜ可能かという説明をする義務があります。こうした区が明らかに説明責任を負う質問にたいして、委員会審議では回答をえられませんでした。歳入確保の必要が迫られているからといって、聞かれたことに説明ができないような値上げ案では区民は納得しません。
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