2009.4.14
陳情を自民、公明が不採択に。 |
区内の公衆浴場はこの10年間でどうなったか。東京都の「公衆浴場の過去10年間の推移」板橋資料によると、年間延べ利用者数は平成10年383万9千人であったが、平成19年には198万8千人になっている。同様に浴場数は平成20年には44軒になり、11年間毎年廃業が続き29軒の公衆浴場が失われた。総務省の「自家風呂保有数状況の推移」の板橋区自家風呂保有率をみると、平成10年93.2%が五年後の平成15年93.9%であるから自家風呂保有率は、ほぼ飽和状態と推測していいだろう。従って、この間の廃業数(平成10年73軒から平成15年60軒に減少)は、東京都資料「公衆浴場の過去10年間の廃行数とその理由」に示されたように、営業不振・利用者の減少31%、施設の老朽化25%によるものが主である。こうした廃業せざるをえない条件を変えることができなければ、次の10年間で区内すべての公衆浴場が失われる可能性は、必然的に高くなる。公衆浴場を必要としている区民は約1万6千世帯前後と想定される。
廃業せざるをえない条件を変えるには、廃業の主要な理由である営業不振・利用者の減少、施設の老朽化に対する有効な施策が必要である。これに係るのは「公衆浴場施設確保事業」であって、確保浴場に選定されると。赤字経営になった場合赤字額の2分の1、150万円まで補助を受けることができる。また、新築・改築・修繕する費用を金融機関から借受けた場合の利子の一部が補助される。だが選定されるには要件を満たさなければならない。要件の一つは、当該浴場から半径500mの隣接浴場の有無、もう一つは1日平均300人の利用者があることであり、それぞれが点数化され合計130点以上が補助を受けられる確保浴場に選定される。なぜ確保浴場に選定される公衆浴場は存在しないのか。浴場の隣接状況は、空白地域を別とすると現状は500m以内に重なり合っているため点数が低いこと、1日平均利用者数は東京都の板橋資料でも、昭和60年の267人から下がり続けて平成17年139人とあるから、到底300人の利用者という要件は現実から乖離しており点数が高くなりようがない。選定要件の大幅な緩和なしには、この制度は活用されない。つまり廃業をくい止める施策がない。加えて、事業そのものの有効性も同時に問われているから、要件の緩和とあわせて内容の見直しも必要である。(※現在2軒の浴場がこの貸付補助を受けているが、これは東京都の制度であったときのもので、板橋区の事業に移行して以降の制度利用はない。)
廃業せずに浴場経営を継続できるための行政の制度が有効に機能しておらず、それ故その廃業によって浴場を失った区民への支援が行政に求められるのは当然といえる。陳情は、浴場がなくなった清水町、蓮沼町の区民が緊急措置として、入浴可能な対策を区に求めたもので、議会が不採択にする理由はない。
|
2008/12/2
改築「小豆沢体育館」の使用料の大幅値上げについて
|
小豆沢体育館を改築したことにあわせて、使用料を新たに設定する議案を審議した。例えば、室内競技場の貸切使用料は午前8,800円から11,200円に、午後は11,900円から21,000円、夜間14,800円から21,000円。トレーニングルームの当日利用310円から420円に、定期利用も1ヶ月2,800円から4,200円、3ヶ月7,500円から11,300円、6ヶ月13,300円から20,200円へと大幅値上げとなる。この使用料設定は上板体育館と同じで、施設が新しくなると値上げになる。なぜなら、使用料の算定は維持管理費(物件費、光熱水費)、職員人件費、減価償却費、消費税を算入する。特に新設は減価償却費が大きいため使用料に占める原価割合が高くなる。公共施設の使用料というのは政策的配慮が必要だから、単純に原価に基づき決められるべきではないが、それでも行政が説明する以上、原価割合は何%なのかという説明は必須条項だ。使用料の議案を審議しているときに「わからない」とはどういうことかというと、考えられることは計算をしていないということ。原価割合は使用料値上げのために使う理由の一つである場合だ。
この新築の体育施設は指定管理者で管理運営されるが、利用料は指定管理者の利益になる。利用料には述べたように、減価償却費が含まれる。つまり、施設の補修・改修等の利用者負担分は補修・改修に充てられるべきなのに企業の儲けに含まれる。原価割合に含むべきではない原価償却費相当分は使用料(利用料)から除くべきなのだ。だから減価割合を正確に知ることが必要になる。指定管理企業は、いっさいの設備投資なしでより集客力が大きい新築の体育施設を手に入れて、さらに「自主事業」といって自分たちの儲けのためだけに使う「スタジオ」まで作らせた。板橋区は企業に奉仕する精神に溢れている。
|
|
2008/11/12
「指定管理者制度導入施設のモニタリング・評価に関する基本方針」から見直す
|
板橋区はすでに行った3館に続いて7館を指定管理者制度によって企業に管理運営を代行させる。Aグループ(赤塚図書館、高島平図書館、成増図書館)は株式会社図書館流通センター、Bグループ(清水図書館、蓮根図書館、西台図書館、志村図書館)は株式会社ヴィアックスがそれぞれ選定された。8月25日、第一次の書類審査の6団体のうち5団体を第二次選定委員会の審査対象とし、9月18日、財務評価・プレゼン・質疑応答の結果、上記の二社となった。
さてとも、同じ時期の8月22日、区長決定による「指定管理者制度導入施設のモニタリング・評価に関する基本方針」が発表された。これはこの制度導入目的にそって「適切に運営されているかどうかをモニタリングし、客観的に評価・検証を行う」ための基本方針として決定されたものだ。特に重要なのは、「財務状況点検」と「労働条件点検」であって、まず「労働条件点検」は「従業員等の労働条件が、区民サービスの向上に向けて安定的・継続的に業務に従事」出来ているかを目的とする。その内容は36協定などの労使協定は適正か、残業時間の集計方法、休暇・休日の状況は適切か、賃金控除協定は行われているか、各種保険の加入状況、手続きの時期が適正か、法定帳簿等の整備、健康診断の実施、産業医の選任、業務災害への対策は適正か・・・などとなっている。
そこでちなみにAグループを管理運営する株式会社図書館流通センター(TRC)の公共図書館の求人スタッフを見ると、全国10の自治体の公共図書館用の募集をしている。募集しているのは契約社員とパートだけとなっている。これでは「労働条件点検」をする対象者がほとんどいないではないか。派遣元をチェックできないのは当然として、そもそもこの制度自体が派遣とパートで成り立っている。区の支出削減にそった労働条件がそこに必然的に存在するのだ。そこでこうした劣悪な労働条件を前提にしてこそ、「財務状況点検」によって「適正」と評価され得る。不適正な労働条件でしか「適正」な財務はあり得ない。
「モニタリング・評価基本方針」は制度導入目的にかなっているか評価する。・・・だが「労働条件点検」は選定基準には入っていなかった。現場の意見を聞くことなく「基本方針」が作られたのであろう。この「基本方針」にそって評価を受けるということは、実績を数値化することである。これではよっぽどのことがなければ次期の指定管理者を選ぶ競争性は生まれない、と言えるのかもしれない。また、労働条件の改善は指定管理者制度のもとではすすまない。従って中間の「評価」は実態と乖離したものとなるだろう。
|
2008/11/11
サーマルリサイクルを見直し、廃プラの資源化を求める陳情
自民、公明が不採択にする。共産、民主は採択を主張。 |
23区で廃プラの資源化をする区は、港区、品川区、目黒区、練馬区、足立区と広がりつつある。これまで埋めていた廃プラを焼却するサーマルリサイクルによって、最終処分場の延命をはかり、熱エネルギーを活用するというものだ。だが延命というが、最終処分場に廃プラの占める割合は容積で一割程度にすぎない。板橋区の担当者は「未来永劫」サーマルリサイクルを続けるという訳ではない、というが廃プラの資源化の時期については口を濁している。要するに廃プラの資源化には7〜13億円ぐらいの費用がかかるので渋っているのだ。プラごみをすべて資源回収にした港区によると、回収するプラスチックは日量推定約15万トンのうち8割が資源化すると見通しをたてている。区の担当者が焼却実験で大気汚染の測定値結果をもって、法定基準値よりはるかに低いことを強調するが、そんなことは当然であって問題は、燃やせばごみ分ければ資源というこれまで区民に啓蒙してきたスローガンを捨てたことにある。過剰な大量生産と包装が規制されていないために、廃プラの資源化には多額の費用がかかる。しかし、資源循環型社会をめざすといいながら、なんでも燃やせばコトは済むかのような区民意識の後退が続けば、結局大量生産、大量消費型社会からの転換はその分困難になるだろう。行政はもっと先を見据えてほしい。
|