指定管理者を議会で議決するにあたって、執行機関は議会に対して賛否の判断にたる資料を提出すべきであるが、出されたのは協定書に盛り込むべき項目案のみである。これでは具体的なことは何もわからない。たとえば、「指定の取り消し等」という項目があるが、この規定が実効性のあるものになるためには、尊守すべき基準が具体的に定められることが必要である。そうでなければ、事実上指定の取り消しや停止は不可能になる。議会の賛否をもとめるならば協定書の具体的文言案が示されることが前提と考える。
東京都は、公募条件のうち欠格条項として、兼業禁止規定、請負契約の欠格条項をこれに準ずるものとして統一ルールをつくったが、板橋区においてはなんら示されていない。議決の対象たる三菱ビルテクノサービスは、公正取引委員会から独占禁止法違反で排除勧告をうけたことがある企業である。同社は他のエレベーター保守業者に対し、保守部品の納期を遅らせたり、値段を1.5倍につり上げたり、取引を妨害するなどして、香川県や県内5市、青森市など全国でその企業活動のあり方が批判されている。指定管理者は、公の施設を管理運営するため区の仕事を「代行」するものである。従って、商取引における処分が終わったとしてもその企業の活動が「代行」たる資格を有するかどうかは別の規定が必要である。東京都が請負契約の欠格条項を公募の欠格条項に準ずるとしたことにあるように、公募条件を改善する必要がある。また、公募におけるプレゼンテーションはコンサルタント会社がつくっており、必ずしも企業の実態を正確に現しているわけでもない。こうした社会的批判を受けている企業は、公共の福祉を代行する指定管理者としてふさわしくないと判断するのが今回は妥当である。よって、この議案には賛成できない。
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