2008年3月10日代表質問
目次
. 【1】生活弱者への支援を施策の重点課題に
【2】「官から民へ」の見直しを
3】財政運営の展望と区民参加
【4】地域の経済力をどう強めるか 
【5】都市景観とまちづくりについて
6】地球温暖化対策について
【7】教育関連予算の引き上げを求めて

真に自律した自治体をめざして、日本共産党区議団を代表し区長に質問します。

今日、日本社会で最も深刻な社会現象は、格差が拡大し貧困の深刻化が激しく進行していることにあります。格差の拡大とは社会の不平等の拡大のことであり、貧困の深刻化とは、貧困な状態におかれた人々の自由が侵害されることに他なりません。格差は、子育てや学習環境に費やす額の違いになり、一方では生き残りのための幼児からの競争を煽られ、他方ではどうにもならない状況から抜け出すすべが見つからない貧困の固定化となって、子供の世代へと引き継がれる貧困のスパイラルを生み出します。大事なことは貧困が一部の人の特殊な問題ではなく、私たちの社会全体の問題であるということです。貧困問題は生活保護や社会福祉の問題というだけでなく、実に労働の問題でもあります。正規雇用の機会が奪われて非人間的な労働さえ我慢を強いられ、使い捨てにされて希望さえ奪われている人々が増えています。こうした格差と貧困の現実を区長がどうのように認識しているかが、予算編成においても問われるのではないでしょうか。誰もが住み続けられる板橋とは、生活弱者であっても安心して住み続けられるということであり、原油価格の高騰でクリーニング店や浴場など悲鳴が上がったとき、すぐさま実態調査をして支援策を検討するなど、困難に直面した区内の事業者を積極的に支援する政治です。5年連続引き下げられている生活保護基準のもとでは、ナショナルミニマムの保障も貧困と同じ意味になりつつあります。最後のセイフティネットの保障ではなくなりつつあるとも言えます。格差の拡大と貧困を区民が直面している困難と自覚し施策の柱にしなければ、「三つのナンバーワンプラン」は生活弱者をただ置き去りにすることになるのではないでしょうか。

【1】生活弱者への支援を施策の重点課題に
 第一に、生活弱者への支援を施策の重点課題にすることを求めて質問します。

 子育て世帯についてみると、貧困の世代継承の仕組みが固定的になるのは、子どもの未来が親の所得水準に規定されるからです。区内小中学校の就学援助受給者数は平成18年度で小学校で34.48%、中学校は40.45%であり、東京の平均24.8%を大きく上回っています。クラスの三分の一の家庭が就学援助を受ける状況のなかで、こうした子どもたちが自分の「夢」を作文に書けなくなっていると「朝日新聞」も報じました。子育て世帯の状況を「平成十八年国民生活基礎調査の概況」からみると、生活意識の状況では「苦しい」と回答しているのは全世帯では56.3%ですが、「児童のいる世帯」では、61.8%を占めており、75.6%が核家族です。生活のしづらさを三分の二の人たちが実感しています。この世帯は総所得のうち賃金の占める割合は91.2%を占め、賃金以外の社会的な手当て、支援を拡充する仕組みを必要としています。子育て世代の生活苦の困難は、高い保育料や教育費にあります。地方自治体が労働条件を改善できない以上、いっそうの支援こそ充実させなければなりません。たとえば、保育料の大幅な引き下げを検討すべきです。「負担の公平化を図る」という理由が、実際には豊かな人や元気な人にこれ以上負担をかけることができないから、弱い人にもっと負担をしてもらうということになっているとことを直視すべきです。見解を求めます。また、こども家庭部と名称を変えたのを機に、子育ての困難に対応する総合窓口の充実が必要です。まずそこに行って相談すればいろいろな手当てや制度が利用できるように、コーディネイトできる専門職を配置すべきです。とくに経済的な困難への制度が必要であり、子育てで緊急にお金がいるときに、中小企業対策の制度にあるような、無利子無担保の貸付制度をつくるべきです。見解を求めます。また、教育社会学の研究でも、人生の中で格差がどこで一番生まれるかというと、「大学に行くか、行かないか」の選択がもっとも大きな分かれ道であるといわれています。高校の卒業だけでは、最初の仕事をやめればどんどん下降していくという、日本社会の仕組みがあります。然しその高校さえ、入学金や授業料の負担が重く家計にのしかかっているのが現実です。せめて高校の入学準備支援事業を検討していただきたいがいかがでしょうか。

 高齢者世帯ではどうでしょうか。生活保護世帯の半数を占める高齢世帯にとって、老齢加算のダメージは大きく、わずか二年の間に生活扶助額で二割の削減となりました。加算が減額された単身の保護利用者へのある調査では、加算がなくなって食費が不足した人が51.9%、被服、履物費が不足した人が30.9%に及び、深刻な事態になっています。生活程度と食べものの質は比例しています。収入の低い人は貧しいものを食べざるを得ません。これは人間の尊厳の問題です。区民の今年91歳のKさんは、少しでも削れるところから削る毎日を過ごしており、ありったけの毛布を体に巻きつけ、ストーブもたかず布団の中にもぐって暖を取っていました。その他にも「食事は、朝は水でお腹を膨らませている」「ガス代を押さえるため風呂をひかえている」など、いのちと基本的人権が脅かされています。区の法外援護事業の拡充こそ必要です。見解を求めます。

 また、孤立、孤独の問題も広がっています。昨年、ある大学の研究室が区内の高齢者世帯を訪問調査して実態調査を行いました。収入が少なく劣悪なアパートで生活している高齢者ほど、健康状態に問題を抱えており、人間関係が断ち切られている傾向があります。経済的不安が高いほど孤独、孤立に陥りやすくなっていることが、改めて浮き彫りになりました。孤立、孤独防止の取り組みでは、保健や社会福祉の専門職や行政職員が積極的に訪問し発見して、区民の福祉活動と連携をとりつつも、事態が悪化する前に対応するシステムの構築が必要です。まず区自ら、訪問調査し実態をつかみ、担当の専門職を配置して施策を講じるべきと思いますが、見解を求めます。

 野党4党による「後期高齢者医療制度廃止法案」が衆議院に提出されました。4月から始まる「後期高齢者医療制度」は、皆保険制度の中に公的医療保険からの給付費を自動的に削減する制度を持ち込んだものであり、その削減された医療需要を民間に提供して、民間医療保険など医療関連サービスの市場拡大を図るものです。広域連合制度によって地域的国民的平等性がなくなり、また必要性を満たすまで医療を給付する必要性充足が奪われました。すでに2006年7月から実施された診療報酬の改定で、家族に介護力がなかったり、介護保険施設に空きがないために、退院が困難な患者が多数生まれています。強制的な退院のために命を落とす患者さえ現れています。区内の療養型ベッドに入院している75歳以上の高齢者は、病院側から「4月以降退院してください」言われています。後期高齢者医療制度が始まると、低所得者の患者ほどいっそう行き場のない不安が広がるのは確実です。こうした患者のための生活の場が必要であり、必要な医療ケアが保障されなければなりません。この制度によって区内の高齢者が万が一命を落とすような事態を絶対に作ってはなりません。検討を求めます。

 若者の貧困が急速に広がっています。生活に困窮した人たちの現代的な表れが「ネットカフェ難民」ですが、若者の貧困は人間らしく働きたいとう願いを奪われているなかで生まれています。契約社員の仕事では突然と解雇されるため、次の仕事を見つけても前の仕事の収入が生活費でなくなって、新しい仕事の給料が出るまでの一ヶ月間、食べていけない、職場に行く交通費も無くなるなどの事例は日常茶飯になっています。「働けば食べていけるはず」「がんばれば仕事があるはず」などの自己責任が成立しなくなっています。若者は行政から一番遠いところにおかれており、貧困者でありながら事実上排除されています。区が若者のための労働相談所を開設してこうした若者への支援を本格的に取り組むべきではないでしょうか。また、「ネットカフェ」から脱出できないのは、脱出して住み始める時の初期費用が貯められないからです。事実上、生活保護基準以下で生活している若者も少なくありません。区独自に支援策を講じるべきです。検討を求めます。

【2】「官から民へ」の見直しをup

第二に、「官から民へ」の見直しを求めて質問します。

  区は経営刷新計画において、経費削減を理由に民間委託、民営化、指定管理者制度の導入を進めてきました。これは正規雇用の非正規雇用化をテコとして雇用の格差を進めてきたことを意味しています。そもそも、「官から民へ」というスローガンは収支の改善が主たる目的ではありませんでしたし、民間の効率性や働き方に注目しそこからうまれた考え方でもありません。そうではなくて、財界から「あの仕事ならわれわれもやれる」「その仕事寄越せ」という形で起こってきた動きです。それを理由付けるために「官は公立が悪い、無駄である、民間でもできる」という口実をあとからつけたものです。板橋区もまた、この手法を無批判に進めてきました。その結果、本来人権保障を根本とする公務労働が、権利なき低賃金労働者によって担われる事態を生み出し広げてきました。以下区長の見解をうかがいます。

指定管理者制度のもとで、経費節減による被雇用者の低い賃金水準についてどのように考えているでしょうか。また不安定な雇用条件についてどう考えているか。見解を求めます。また民間委託の学童クラブでの指導員の低賃金は児童との継続した人間関係が築きにくいため、若い指導員が「子どもの気持ちをつかむのが難しく、言うことを聞かない」という声が生まれ、「賃金が低くて働き続けられない」という状態が広がっています。こうした状況こそ改善すべきです。見解を伺います。

指定管理者のもとでの一部の保育園運営で、職員の賃金がほとんど上がらない、また一時金も事実上本人の手元には残らないケースがうまれています。これでは長く働き続ける意欲を次第に奪いかねません。保育の質を確保するためにも是正を求めるべきでないでしょうか。

体育施設への指定管理者導入によって区は経費の削減やキックバックによって、新たに使える財源を得ました。これらは区民に還元されるべきです。小豆沢体育館の改築や他の体育施設の改修は、企業が資本投下をせずにより利益を拡大できる条件を税金で用意したともいえるものです。「利用料」に対する区の減免の拡大を検討すべきです。また、スポーツ団体への助成拡大、空地を利用した簡易なスポーツ場の拡大を求めます。さらなるスポーツ振興の拡充を求めますが、見解を求めます。

指定管理者制度で民間事業者が実施、蓄積したノウハウは、広範な区民の利用の存在をもとに生じたものです。民間企業の独占物ではありません。区がそのノウハウを継承できる契約にすべきではないでしょうか。見解を求めます。

自治体は、公務員として採用するには「成績主義による任用」を規定している地方公務員法があるため、派遣労働者を直接雇用する義務を守る事ができません。給食調理の業務委託は、実態は偽装請負に限りなく近いと考えます。「派遣と請負の区分基準」にてらして問題があるのではないでしょうか。見解を求めます。

【3】財政運営の展望と区民参加up

第三に財政運営の展望と区民参加という観点から質問します。

 人口構成の高齢化は、社会福祉の行政需要の増大をもたらし、性質別歳出における扶助費と繰り出し金、目的別歳出における民生費の急増をもたらしています。福祉サービスの増加が経常収支比率を引き上げる最大の要因となります。民間委託や民営化などで人件費は抑制できても、仕事自体がなくなるわけではなく、物件費のうち委託料の右肩上がりは今後避けられません。しかしだからといって、格差の拡大と貧困が深刻化するなかで、福祉サービスを抑制するのではなく、いま、支援を必要としている区民に適切な支援を行うことこそ行政の最大の仕事です。「基金」を漠然とした将来の財政運営の不安や施設整備のために、積み上げられるときに積み上げるという考えを取るべきではありません。平成18年1月の「基金運用に関する取り扱い方針」では、一般財源の二分の一を基金で対応することとし、義務教育施設整備基金について、平成27年度まで10年間で127億円、公共施設等整備基金は56億円を所要額としています。しかしすでに、平成20年度見込み額はそれぞれ177億円、82億円です。財政調整基金についても、団塊の世代の大量退職に伴う退職手当の増大を理由として、当面80億円を目標にしていました。20年度末の見込み額は107億円です。さらに、平成28年度以降の10年間に備えるなどという理由で、むやみに基金の目標額を引き上げるべきではありません。以下区長に質問します。

東京都は法人二税の見通しを下方修正しています。リストラと非正規労働者の増大政策などによって好景気にわいてきた大企業ですが、東京都の財政課長も処分可能な基金がいくらあっても、一度転落を始めたら、わずか数年で食いつぶすという不安を隠していません。板橋区もまた税収の不足額の規模によっては、「中長期的経済見通しが不透明」だといって処分可能な基金をいくら積み立ててもわずか数年で食いつぶすこともありうることです。処分可能な基金をそのように使うのではなく、区民の経済力を高めるために使うこと、生活弱者にいっそうしわ寄せがいかない使い方、今必要な区民への支援のために、一度決めた基金の所要額を超えて安易に積み立てないことが必要ではないでしょうか。見解を求めます。

区は、将来の財政状況に備えての処分可能基金の積み立てを主な理由とするとともに、スクラップ・アンド・ビルドなどの手法を入れた枠配分予算を取っていますが、これでは区民や区内事業者の経済力を引き上げる思い切った施策ができません。また区の財政の基盤である住民税の増収につながりません。さらに、区民要求から施策が乖離する傾向を防ぐことはできません。枠配分予算こそ見直すべきではないでしょうか。見解を求めます。

建設公共事業のあり方を、税収減に備えて思い切って見直す必要があります。まず第一に多額の税金投入を前提とする再開発事業を凍結すべきです。第二に大規模施設の改築・改修については、老朽化したからお金がある時に建替えるという発想を転換し、改修・改築計画のある全ての施設を分析したうえで、耐震工事と大規模改修で行うことを基本とすべきです。加えて区内の施行業者に発注することを基本にし、区内業者の仕事を確保するようにすべきです。見解を求めます。

津波のような税収の乱降下が区財政を何度も襲うのが市場原理の景気変動です。それを本当に乗り切る力は、それまで区民とどのように協力し合い、地域の力をつける努力をしてきかたにかかっています。それは自治力をつけるということに他ならず、区民が本当の意味で地方自治の担い手になる道を開くということです。たとえば個人住民税の1%を「住民自治基金」として思い切って区民に委ね、住民参加型の予算枠をつくることも検討してよい課題です。予算執行案に区民の意思を直接反映させることによって、区民の自律を促し、区民とともに住民税の使途を決めることにより、同時に自治体財政の自律を図る長期的な展望を持つべきです。それ以外に、税収減の時期に自治体財政の縮小と主権者の負担増による財政再建策という悪循環から抜け出す道はありません。意識改革こそ必要です。見解を求めます。

【4】地域の経済力をどう強めるかup

第四に、地域の経済力をどう強めるかについて質問します。           

 原油や穀物の高騰などが経営と暮らしに深刻な影響をもたらしています。企業経営として着実な発展を実現している中小企業・業者もいますが、経営に行き詰まり、あるいは後継者を欠き、廃業していく企業・事業者は依然多数です。区内商業店は、この15年間で約4分の1が失われましたが、とりわけ小規模事業者のうちではワーキングプアにも近いとされるような経済状態に陥っている例も少なくない現実があります。政府や財界は、社会保険料の大企業負担廃止、消費税増税を狙っています。しかし、どの世論調査でも消費税増税には反対の声が過半数を占めています。中小企業・業者が未来に光明を見出そうと頑張れる前提には、政治において民主主義的な力が働いているとともに、身近な地方自治体がよく実態を把握した施策をすすめているかどうかです。以下区長に質問します。

中小企業施策の充実及び強化について、区は「経営情報化研修、企業近代化促進事業、従業員技能向上事業、企業交流促進事業などを助成している」としています。その「成果と目標」をどこに設定するのかが明確に示してください。さらに「成果と目標」が助成額や助成件数に矮小化すべきではありません。助成額や助成件数は指標の一つですが、こうした助成が実際の経営改善にどうつがっているかを検証すべきではないでしょうか。見解を求めます。

創業支援では融資の際の自己資金規定の撤廃が必要です。昨年10月から始まった責任共有制度のもとでは、金融機関の評価点が低いと本部決済となり、信用リスクに連動し高利となる可能性がうまれました。こうした厳しい格付、足きりが地域経済に及ぼす影響を過小評価できません。区は創業支援限度額でも他区と比べて低く、また信用保証料は23区でなんの助成もしていないのは板橋区を含めて6区です。地域の金融機関も格付については、都市銀行と同様に徹底した人員削減のもとでほとんどが機械任せになっています。いったん入力したら機械が判断しています。つまり、これまでの取引や技術力、将来の展望などが融資の判断になりにくい状況が生まれています。一方でリレーションシップ・バンキングなどストックを担保の最優先条件にしない動きも同時に模索されています。行政と区内中小企業、金融機関の関係を人のネットワークとして強めることがまず必要ではないでしょうか。見解を求めます。

産業集積のあり方については、大都市での土地利用について行政が明確な方針をもつかどうかに係ります。特に住工混在の用途地域におけるマンション建設による製造環境の激変についてどのような政策をもっているか、見解を伺います。また、メッキ企業のように土壌汚染の処理に多額の費用がかかる工場の移転には、区の助成を検討すべきです。見解を求めます。

区内建設業者の要求の一つに、区内建設業者の定義を明確にしてもらいたいという要求があります。名ばかりの支店であっても本店を評価の対象にするのでは区内業者は困ると言っています。区民として建設業を生業にしながら区に貢献をしたいという思いを率直に受け止めるべきです。「支店」そのものの実態に合わせて点数化するなど格付けすべきではないでしょうか。見解を求めます。また、公共工事の分離・分割発注、設計と施工の分離を積極的にすすめて中小企業の受注をいっそう確保すべきです。

全国の商店、商店街活性化の教訓は、人とまちを愛する人間の熱意とそれを支える人材や仕組みの存在です。ソフト面での適切な支援の充実がもっと必要です。商店街は地域に貢献すれば生き残ることができるというのも全国の教訓であす。まず、やる気のある商店へ経営力のレベルアップをはかる出前講座をいっそう強化していただきたい。見解を求めます。また消費者の応援をえるため地産地消のルートを情報化し活用してもらうようにしてはどうでしょうか。見解を求めます。

また、店舗の改修助成事業は、商店の活力、施工する区内業者の仕事おこしなど、経済的効果は抜群です。積極的検討を求めますがいかがでしょうか。

最後に、いま商店では消費税の税率引き上げについて不安が広がっていますが、消費税増税は社会的弱者、低所得者を直撃するのみならず、景気の後退をもたらすことは避けられません。商店にとっても大きな打撃となると思われますが見解を求めます。

【5】都市景観とまちづくりについてup

第五に、都市景観とまちづくりについて質問します。

23区議長会は都営住宅の建設を都に要求しています。公共住宅の不足はマンション乱立と表裏一体となっており、ルール無きマンション建設が生活景観を破壊しています。区としても都営住宅の建設を求めるべきではないでしょうか。見解を求めます。

工場や事業所の移転により、巨大マンションが急増しています。その影響は、学区の変更を余儀なくされるだけでなく、保育園、学童クラブなど行政需要を増大につながっています。こうした地域間の格差が広がれば税金投入のアンバランスが生じざるを得ません。待機児ゼロへの取り組みも後手に回ります。全体のバランスを考えて行政需要を増大させないための、ゾーニングを設定すべきでではないでしょうか。見解を求めます。

都市景観マスタープランが策定されますが、どれほど区民参加によるものになっていたかはなはだ疑問といわざるを得ません。1998年1月の都市計画中央審議会の答申「今後の都市政策は、いかにあるべきか」における第一次答申「都市計画における役割分担」は、区民の積極的、主体的参加をどう実現するかを問題にしました。都市景観がどうあるべきかとは、まちづくりに大いに係ることであり、いわば地域のグランドデザインです。地域づくりのフレーム自体を変革していくのでなければ、行政の一方通行にならざるを得ません。実施計画を計画通りに進める前に、都市景観マスタープランや環境基本計画などを土台にした学習会の積み重ねを根気よくつづけることを求めます。まちを創造するのは区民自身です。見解を求めます。

災害は弱者を襲うと言われます。まちづくりの根本には安全・安心が必要です。災害によって生活弱者にしわ寄せが集中することのないようにしなければなりません。阪神淡路大震災は神戸市において、震災後も結局住宅を再建できない人々が土地を離れざるを得なくなりました。第一に、生命の安全を守るためにすぐできることは家具の下敷きにならないようにすることです。2007年4月の三重県北中部を震源とする震度5の地震が発生しました。三重県亀山市では、高齢者家庭539世帯に家具転倒防止策をすすめていた結果、家具転倒があったのは特殊な一件のみにとどまりました。この事業が極めて有効であることは実証されています。「希望する区民」に家具転倒防止対策を、耐震診断と切り離して実施すべきです。第二に、目視で倒壊危険度の判定を計画的にすすめ、所得に応じた払うことのできる費用負担を設定すべきです。耐震工事が進まないことを区民の意識に還元せず、区の責任として生命を守るための必要不可欠の事業としての位置づけを明確にすべきではないでしょうか。見解を伺います。

【6】地球温暖化対策についてup

第六に地球温暖化対策について区の見解を伺います。

 板橋区は「エコポリス環境都市宣言」を発信している自治体であるからこそ、地球温暖化対策の施策において、地方自治体レベルでの、すべての面で先進的な取り組みをめざすべきです。地球温暖化対策は、第一に無尽蔵の自然エネルギーの活用です。日本の自然エネルギーは国内原子力発電総発電量の37倍もあります。国民の三つの権利、エネルギーを選択する権利、生産者として自分でエネルギーを作る権利、主権者としてエネルギー政策に参加する権利を国に認めさせる必要があります。第二に、自治体レベルでは、企業や消費者の自主的取り組みがあげられます。板橋エコアクションでみると、区民は5500世帯に対し現在ゼロ世帯、事業所は550事業所にたいし18事業所で、今後も目標どおり増える見通しもたちません。自主的取り組みがなぜ進まないのか。根本には熱中症や暴風雨による死者の増加、農作物に及ぶ影響など、その原因が地球温暖化によるものであると科学的に証明できないことにあります。異常気象と温室効果ガスの大気中濃度の上昇との因果関係が、可視的に証明されることが無い以上、そのためのコストを支払うことに積極的になれないという意識をどのように変えていくのかが、行政の取り組みとして本気かどうかを問われます。他の自治体に先駆けて、他に例を見ない規制、大胆な提言・行動こそ、区民、事業者の自主的取り組みを引き出す鍵です。以下質問します。

板橋区が地球温暖化対策として、政府の目標を超えて、世界の先進都市にこそ学ぶべきではないでしょうか。見解を求めます。

区の公共施設の改修等にあったっては、例外なくCO2排出量を削減する目標値をもって行うべきです。また、民間の建築にたいしても要綱等による建設規模に応じた努力義務を課し、区の決意を明確にすべきです。見解を求めます。

産業集積はCO2の削減に効果的に取り組む条件をつくります。区の産業施策のなかに明確に位置づけるべきでではないでしょうか。見解を求めます。

地球温暖化対策として、24時間営業のコンビニの出店は、出店条件を厳しくすべきです。区内でも、多い地域には200メートルごとに出店ラッシュが続いています。少なくても緑のカーテンや太陽光発電などなんらかの形で区の地球温暖化対策に協力しなければ出店を認めないようにすべです。見解を求めます。

太陽光発電など自然エネルギーの活用について、目標量を具体的な形で拡充できるよう支援制度の抜本的拡充を求めます。また、電力会社が買い取り価格を引き上げ、固定価格による買取を実施するよう区が直接申し入れていただきたいが、いかがでしょうか。

【7】教育関連予算の引き上げを求めてup

第七に教育関連予算の引き上げを求めて質問します。

 公教育制度は、経済的に貧困な家庭の子どもを教育から排除しないための制度です。重要なことは、経済的格差が教育的格差・排除の流れを食い止める防波堤である就学援助に、ますます多くの子供たちが拠りかかざるをえなくなっているという現実にあります。就学援助によっても防ぎきれない経済的格差の波は、学校外の塾などの利用度による教育格差となって子どもたちに襲いかかっています。それゆえ、板橋の教育が教育課程に過度の競争や学校間の競争を持ち込ませないことが必要であり、塾を利用する子どもとの格差を広げない真摯な取り組みが求められます。実際に子どもたちが直面している困難がどのようなもので、それが「学び」にどのような影響と落としているか、教師たちはそこでどのように取り組んでいるかを、教育現場の声を大切にした教育行政となっているかどうかを、常に検証することが必要ではないでしょうか。

2007年11月に公表された「児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査」の「いじめ」に関する結果は、件数が前年度までから急増したことが話題になりました。「いじめ」の定義のうち、「継続的」、「深刻」という条件を取り、「自分より弱いものに対し一方的に」を「一定の人間関係のある者」にするなど、報告すべき「いじめ」の範囲を拡大したためです。また「発生件数」を「認知件数」という表現に改めました。区内では、「いじめ」件数は小学校2005年度の11件から2006年度93件、中学校は5件から59件になり、「いじめ」を認定した学校数の割合は、小学校で同様に14.8%から66.6%へ、中学校で16.6%から86.9%に増大しています。

ところが、こうした「いじめ」範囲拡大にもかかわらず、全県レベルで「学力テスト」を積極的にすすめている鳥取、和歌山、広島県ではそろって件数がきわめて少なくなっています。広島県下の市町村では学力、生活指導、教員の姿などについて事細かに数値目標を掲げて学校評価を行っており、「いじめ」件数との因果関係を類推させます。「板橋教育ビジョン案」では「目標と方針」において、自己点検や第三者評価制度を導入するとありますが、数値目標化すべき事柄ではないと思いますが、見解を伺います。

「不登校」数の減少が数値目標化されている自治体では、休んでいることが判るとすぐに家庭訪問を行い、無理やり学校まで連れ出し、校門に入ると出席となるため、そこで子どもを解放するとう事例も生まれています。義務教育における「就学義務」は、子どもに教育を受けさせる保護者の義務であり、子ども自身に「義務」が存在するわけではありません。見解と方針を伺います。

10年ぶりに改定された「学習指導要領」どおりに学校で教師に実施させ、それを『チェック』する仕組みが作られようとしていることは重大です。改定学習指導要領は、すべての学校に「道徳教育推進教師」を配置し、全教科での道徳授業の実施を点検するとしています。これではますます、教師としての生きがいが失われるのでないでしょうか。「希望降格制度」の利用は東京が一番多く、副校長から一般教員への降格希望は、人を管理したり強制したりすることのストレスが拡がっていることを表しています。昇任を望む教師が減り、さらに深刻な問題は教員自体を辞める人が増えていることです。管理とチェック体制の強化は、教師という人材の確保について重大課題ではないでしょうか。見解を伺います。

学校選択制は人気校での抽選に見られるように、「選択の自由」の選び手が学校側に移っています。「学力」は保護者の重要な選択基準と看做されると、各学校は学力テストで高得点をめざすことにしのぎを削るようになります。しかし、得点力アップは学力が上がったという保障ではありません。こうした『学力』の競い合いは学校間の競争になりかねません。学校選択制の見直しこそ、地域の教育力の理念に沿うものです。見解を求めます。

学校要望の補修工事については、全学校における補修必要度を調査し、補修すべき対象の一覧を年度ごとに作成し、公表すべきです。その上で、緊急性の度合いを客観的に評価し、施工予定を定めること、必要な工事においても年度計画をもって、誰でも知ることができる透明性を持たせることが必要です。見解を求めます。

区長に質問します。国民保護計画は戦争を前提にした計画です。学校の平和教育は戦争を否定して、悲惨な戦争体験を通し平和の尊さを学ぶものです。子どもに平和の尊さを説きながら、大人は戦争に備える体制を区民に要求することは矛盾するのではないでしょうか。見解を伺います。

いま区民には暮らしの困難さ、仕事の困難さ、医療を受ける困難さといえる三つの困難が広がっています。社会保障・福祉制度が十分に機能していかなければ、こうした区民を社会的に排除することにつながります。「社会的排除」とは一種の違憲状態に他なりません。経営刷新計画の見直しと憲法の生存権保障にてらした施策の充実を求めて私の質問とします。


日本共産党板橋区議団