松崎いたるの区長への質問集
         
                   2004年9月定例会
1.平和の取り組みについて
2.地域産業の活性化につながる小規模事業者登録に
3.建築紛争の解決に向けて
4.出張所問題について
5.公営住宅について 
6.小竹向原駅の放置自転車対策 

 

 ただいまより日本共産党の一般質問をおこないます。

 はじめに日本国憲法第9条や板橋区平和都市宣言を生かした区の平和への取り組みについて、伺います。

 区はこの間、憲法違反の戦争準備法の一つである「国民保護法」にもとづき、「国民保護係」なるもの設置しました。この問題でのわが党の質問に対し区長は、「さきの大戦において空襲によって多くの民間人が犠牲となった。これまでの多くの戦争においても、民間人に多数の被害が及んでいることは歴史上の事実であり、板橋区としてはこのような惨禍を二度と繰り返さないという立場から、平和都市宣言が行われている」と答えています。

 この立場をほんとうに貫くのであれば、戦争にそなえる体制をつくることことではなく、なによりもまず、戦争をおこさないこと、区民を戦争や戦闘行為に巻き込まないようにする取り組みをすすめるべきではないでしょうか。

 国際人道法ともいわれるジュネーブ条約の第一追加議定書第59条には、武力攻撃を加えてはならない「無防備地区」についての規定があります。それはつぎのような条件を備えた地域です。

(a)すべての戦闘員が撤退しており並びにすべての移動可能な兵器及び軍用設備が撤去されていること。

(b)固定された軍事施設の敵対的な使用が行われないこと。

(c)当局又は住民により敵対行為が行われないこと。

(d)軍事行動を支援する活動が行われないこと。

これら4条件を備え「無防備地区」を宣言することにより、この地区への武力攻撃は国際的に重大な戦争犯罪とみなされます。第一追加議定書は、日本、中国、韓国、北朝鮮などを含む国連加盟国の約85%が批准し、国際慣習法として確立した条約であり、その効力は絶大なものがあります。

 「無防備」という言葉の語感に悪い印象を持つ人もいるかも知れません。「無防備地区」とは、外務省による公式な訳語ですが、その意味するところは「戦争非協力地域」あるいは「非戦地域」とも言うべきものであり、平和を守る積極的な責任が含まれています。

この「非戦地域宣言」を板橋区において実行することは、日本国憲法と板橋区平和都市宣言、そして区長がいう「民間人犠牲者を出す惨禍を二度と繰り返すまい」という立場にそったものであり、板橋区の平和のとりくみを、実践の課題へと前進させるものです。

ジュネーブ条約にもとづく「板橋区非戦地域宣言」の検討を求めますが、いかがでしょうか。答弁をもとめます。

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 つぎに地域産業の活性化対策についてうかがいます。

板橋区産業活性化基本条例の制定や、産業経済部を新たに設置したことは景気回復への区の姿勢を示すものとして、区内の中小企業・商店の経営者の期待を集めています。この期待に応えられるかどうか、これからの具体的な取り組みにかかっています。

区ではまもなく小規模事業者登録制度をスタートさせようとしています。この制度は、区発注の小規模工事や物品購入の契約のあり方を改善し、区内の小規模事業者にも区の契約の門戸を広げようというものですが、これを単に契約制度の改善という位置付けにとどめることなく、区内経済活性化の推進剤とする必要があります。

すでに実施している自治体は全国で289自治体に広がっており、「小さな業者にも仕事が回ってくる」と仕事おこしの効果が報告されています。

板橋区においても成功させられるかどうかは、これからの取り組み如何にかかっています。

そこで小規模事業者制度にかかわっていくつか提案いたします。

 まず、発注者となる区側の各事業部の担当者、とくに数多くの発注が予想される学校の担当者に制度のしくみや主旨を徹底することです。とくに学校においては、この制度が地域との新たなコミュニティづくりにもつながることを強調していただきたいと思います。

また、

受注者となる区内中小業者には、パンフレットなどを持って区の職員が直接足を運び、制度を活用することをしっかり訴えることです。

この制度を軌道に乗せていくには、スタートのこの時期に、行政がしっかり汗を流し、その姿勢を区民にしめすことが肝要です。区の広報に一度載せたらもうおしまいということは、ゆめゆめ無きようにお願いします。

さらに、制度を地域産業の活性化につなげるためにも、公契約の不断の改善を促すためにも、制度運用について区内業者との定期的な意見交換の機会をもつことです。

以上、あわせて答弁をもとめます。

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 つぎに相次ぐ建築紛争に対する対策についてです。

マンションなどの中高層建築物にかかわる建築事業者と近隣住民との紛争が多発しており、その円満かつ抜本的解決を図ることは、住み良いまちづくりをすすめることを使命とした板橋区の直面する大きな課題のひとつです。

区はこのため昨年4月、「中高層建築物紛争予防条例」を改正しました。しかし、建築紛争に翻弄されている関係住民の期待にもかかわらず、相変わらず紛争は後を断ちません。

なぜ、条例が紛争解決に十分な役割を果たせないのか。条例改正後一年を経たいま、あらためて再点検が求められています。

 そこでまず、改正後に発生した紛争の要因は何か、またどうすれば紛争を防げたのか。さらに紛争を通じて住民が何を感じ、区にどのような要望をもっているかなどを調査し、紛争予防条例を改めて点検し、再改正をふくめ条例を実効あるものに改善する取り組みをすすめるべきであると考えますが、どうか。見解を伺います。

また、紛争を回避するためには近隣住民と建築事業者との十分な話し合いをすすめることがどうしても必要です。しかし多くの場合、建築事業者は法的な条件をクリアしていることを根拠に、住民側が求める内容での話し合いには、積極的に応じようとはしていないのが現状です。紛争といっても、建築そのものに住民が反対することはむしろ少なく、「せめて?」「すくなくとも?」という思いから、「階数は減らせないのか」、「建物の間隔をもう少し開けられないのか」、「祝日の工事は中止できないのか」などささやかな当然の要求を述べているにすぎません。

にもかかわらず、事業者は「違法なことはしていない」「工期がせまっている」「会社の方針はもう変えられない」などと、住民の要求を半ば問答無用に退けていることがまま見受けられます。こうした事業者側の対応が住民との溝を深めています。

私はある事業者の担当に本音を聞く機会がありましたが、それは「住民の要求を受け入れても会社には何のメリットもない」というものでした。この見解そのものには、私自身も含めて、異論がないわけではありません。しかし、企業という組織が利潤追及を目的としている以上、無理からぬところもあります。

そこであらためて提案いたします。

住民との話し合い、合意形成に建築事業者の積極的参加を促すために、住民と良好な関係を築いた業者には、たとえば「ご近所あったかマーク」とでも名付けたマークを授与し、マンション販売の広告に使用することを認めるなど、事業者にインセンティブをあたえてはどうか。

これまでマンションの価値は、施設・整備などの他では、交通の便や日当たり、景観など地理的環境によって決められていました。しかし、区がこうした取り組みを行なえば、近隣住民との良好な関係という人間的要素もマンションの価値を高めることになります。これは、古くからの住民と新しいマンション住民との連帯の礎にもなるものであり、コミュニティづくりとしても区が積極的に取り組む意義があると考えます。区長の答弁を求めます。

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つぎに出張所を統廃合し再編された区民事務所、地域センターについて質問します。

わが党はこの統廃合・再編が区民サービスの低下をもたらすものであることから反対し、また、4月5月の時期に実施すれば、大きな混乱をもたらすことも指摘してまいりました。4月の統廃合から2ヶ月がたちましたが、区民からはたくさんの苦情の声があがり、この指摘が不幸にも裏付けられています。

窓口業務を廃止した地域センターにはどこでも「知らなかった。周知はしたのか」「出張所と同じ仕事ができないなら開けている意味がない」「窓口が遠くなり、不便になった」「高齢者をいじめる気か」などの苦情が多く寄せられています。

また一方の区民事務所には、さまざまな書類発行を求める区民が集中し、大混雑となりました。そのなかで「こんでいて、どこに並んでいいのかわからない。大きな声をあげて職員を呼ばないと、案内もしてくれない」「足腰の悪い自分には、あまりに遠すぎて、もう来たくはない」との声もあがっています。

区は、こうした区民の苦情や抗議を真摯にうけとめ、区民の利便性をはかる、区民サービスを向上させるという行政の原点に立ち返るべきであります。

わが党は、廃止した出張所の復活をつよく求めるものですが、それが実現するまでの当面の期間も、区民サービスの質・量ともの維持と向上に最大限の努力を注ぐことを求めるものです。

そこでいくつか、お伺いいたします。

まず、区民カードについてです。

4月のカード発行は4860件ありましたが、このうちいちばん多く1791枚発行したのは、正規の窓口である戸籍住民課でも区民事務所でもなく、臨時に短期間だけ発行した地域センターでした。

このことは、遠くの区民事務所に行くよりも、近くて、カードが使える機器がおいてある地域センターでの発行を求める区民が多いことを示しています。

必要な体制をとってこれからも地域センターで区民カードを発行するべきではありませんか。お答えください。

4月・5月は転入・転出が集中する時期であり、ただでさえ混雑する時期でした。ここでの業務のあり方を見直し、二度と苦情が出ないようにすることが大事です。これからも混雑が予想される時期があります。

今月6月には、1万世帯に上る都営住宅の居住者に課税証明書の発行する業務が予想されます。これまでの反省を踏まえ、特別の体制が必要ではありませんか。どのような体制をとるのか、お示しください。 

 この間の混乱や区民からの苦情、そして各区民事務所間の仕事量に歴然とした差があることなど、区の当初の見込みと実際の結果には隔たりがあり、新しく始まったいまの体制やサービスの内容をもう一度、見直す必要があります。

職員の増員を含め、体制の再検討をすべきです。また高齢者や障害者など希望する方に「出前サービス」を実施するなど、遠隔地対策が必要と思いますが、いかがでしょうか。

 区民の苦情・意見のなかに「地域センターは夜間、委託された人がたった一人でいるだけで無用心だ。区民の個人情報の管理の面からも心配」というものがありました。もっともな意見だと思います。

地域センターについて、夜間も複数人の体制を整えるべきではありませんか。答弁をもとめます。

この問題の最後に区民に対する接し方について、申し上げたいと思います。いまの区民事務所の評判の悪さの原因の一つは「親切でないから」という区民の意見があります。遠くなった事務所まで延々と歩いてやっとたどり着いたかと思えば、見慣れぬ窓口の前でまごついてしまう。それでも声をかけてくれる職員がいないというのです。

職員の立場からいえば、人員を減らされたうえに対応する区民は増えたのですから「心も体も休まるときがない」というため息がもれてきます。

こうした状況では、「もう区民事務所には行きたくない」という区民が現れてもふしぎではありません。

区民が入り口に入ったときから「御用はなんですか」と明るく声をかけるような親切であたたかな区民事務所、地域センターにすべきではありませんか。

この問題に現場職員といっしょに知恵を出し合い取り組むことを強く求めるものです。

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 つぎに板橋区の住宅問題、なかでも都営住宅や区営住宅など、公営の住宅について質問いたします。

 私どもには、「都営住宅か区営住宅に入りたいが、どうすればいいか」という区民からの相談がひっきりなしに寄せられています。都営住宅の募集倍率はいまなお数十倍、時には100倍を超える高倍率です。しかし、東京都が都営住宅の新規建設をしないという頑な態度でいることは大きな問題です。

そこでまず、区として都営住宅の増設を強く都に求めていただきたいが、どうか。また区営住宅の増設についても積極的に検討すべきと考えるがどうか、答弁を求めます。

 既存の都営、区営の住宅にも住宅政策の貧困さがあらわれています。なかでも、多くの住宅でエレベーターなどのバリアフリー対策が進んでいないことは、居住者の高齢化が進む中で深刻な問題となっています。

高齢者や障害者はもとより、だれでもが安心して住める、終の棲家を確立するため、既存の都営住宅や区営住宅、区立住宅で、エレベーターなどのバリアフリー化が未着工の住宅について調査し、早急に計画をたてて改修工事に取り組むことを求めますが、いかが。答弁を求めます。

エレベーター設置について、東京都は一階から最上階までの入居者全員の同意が条件であるとしています。しかし、エレベーターの維持管理費は入居者の負担とされているため、一階の住民には共益費の値上がりに抵抗を感じる人も少なくありません。これでは「一人でも反対したら設置できない」ことになってしまいます。

エレベーター設置の方針を弾力的に改善するよう東京都に強く申し入れると同時に、区も公営住宅もバリアフリーが促進するよう、区独自の設置方針をもつべきだと考えますが、いかがでしょうか。

 さらに、区内の多くの公営住宅で老朽化が進み、さまざまな補修・改修の工事が必要となっています。しかし、区営住宅の管理は、東京都住宅供給公社に一括して委託されているためか、「対応が遅い」「親切に要望を聞いてくれない」などの苦情も寄せられています。また、せっかく仕事おこしの機会なのに、工事が区内業者に発注されないなどの問題があります。

区営住宅の補修・改修の工事は公社まかせにせず、区独自に受付窓口を設け、区内事業者へ発注すべきです。また区立住宅、高齢者住宅などの補修・改修についても、よりいっそう区内業者への発注を貫いていただきたいが、どうか。お答えください。

 住宅問題に関連し、公社住宅・向原団地の建て替え計画に関わって質問いたします。

 新興住宅として向原団地が建設されてから40年。いまや多くの居住者にとって「わがふるさと」と呼ぶべき団地です。いま、この団地の建て替えを、公社から通告され、居住者は「時期はいつか」「どんな計画なのか」「建て替え後もすみ続けられるのか」など、さまざまな疑問や不安を抱いています。しかし、公社は計画の内容や時期を居住者に知らせていません。説明会を開くように要請しても、「計画が具体的になっていない」として拒んでいます。

 具体的な建て替えを計画するのであれば、団地の主人公である居住者が住み続けられる計画を、居住者参加のもとでつくるべきです。同時に、向原団地は、大谷口や小茂根から小竹向原駅へとつながる重要な生活道路でもあり、隣接する宮下商店会をはじめ地域経済に大きな影響を与える消費地でもあります。また団地内の緑は周辺地域全体に潤いを与える存在になっています。こうしたことを考えれば、団地の建て替えは公社の都合だけですすめていいものではありません。

 向原住宅の建て替えに関して、居住者の要望を取り入れるとともに、周辺の住民の意見も聞き、街づくりの問題として、団地居住者、周辺住民、そして区が計画の作成に関与できるよう、公社につよく申し入れをおこなっていただきたいが、どうか。

居住者の一番の心配は、建替え後の家賃の値上がりによって、住み慣れた団地に住み続けられなくなるのでは、というものです。居住者の多くが高齢化しています。ある方は「年金暮らしになってから、高い家賃を払うのは無理です」とこぼしていらっしゃいました。いま、「向原から離れたくない」という居住者のなかからは、「建て替え後の公社住宅内に都営住宅を併設してほしい」という声もあがっています。これは、ふるさとである向原に住み続けていくためには、検討するに十分な意義があると考えます。

公社住宅内への都営住宅・区営住宅の併設を真剣に検討していただきたいが、いかがでしょうか。答弁をもとめます。

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さいごに小竹向原駅前の放置自転車対策についてです。

この問題は昨年9月の本会議でも質問いたしました。このときは、自転車整理のガードマンが配置されていなかった水曜、土曜、日曜にも新たにガードマンを配置しますという、答弁をいただき、実現していただきました。

ところが、この4月からぱったりと、水・土・日のガードマンがいなくなりました。国の財源が切れたというのがその理由ですが、しかし放置自転車対策とは短期間だけ対策をとれば解決できるという性質のものではありません。私は以前も「バリアフリーのためのせっかくエレベーターができても、自転車が新たなバリアになってしまう」とのべましたが、いまの現状はまさにそのとおりになってしまっています。

 水・土・日のガードマン、自転車整理員を復活させるべきです。明快な答弁をお願いします。

また、ガードマンの配置という対処療法とともに、より問題の根源にせまる対策も必要です。ひとつは駅近くの駐輪場の増設です。

 たとえば近隣の自動車駐車場を区が借り上げるなど、発想も大胆に転換して駐輪場の増設に努力することをつよく求めるものです。お答えください。

 さらに抜本的な対策に本腰をいれ、自転車の有効な活用を図りながら、地域社会に負担をかけない自転車共栄社会をめざす取り組みをはじめなければならないと思います。

 この点で私は、通勤用の自転車を個人所有にするのではなく、公共の自転車を多くの人が使いまわしをする共同自転車のしくみを導入すれば自転車台数の総量を減らすことができるのでは考えています。

こうした共同自転車のしくみなど、さまざまな自転車対策のアイデアを研究・検討する区民参加のワーキンググループを立ち上げ、抜本的な自転車対策の取り組みを開始すべきです。

以上答弁を求めて、私の一般質問を終わります。

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日本共産党板橋区議団