■板橋生活と健康を守る会事務局長 藤平高一さんの発言から
私は昨年九月、生活と健康を守る会の実態調査について、日本共産党板橋区議団の協 力のもとに、70人の会員宅を訪問したときの、実態を中心にしてお話したいと思いま す。
1. 両親を看て七年、もう限界
当時Y子さんは56才で、両親、父(88才)と母(89才)を七年間にわたって自宅で介 護していましたが、現在は両親とも入院しています。父は区内の病院、母は埼玉の施 設です。
父の入院している病院では、介護保険が使えません。1ヶ月17〜18万円かかるとのこ とです。介護保険に入っているのになぜ利用できないのかと怒っています。「自分と しては両親とも家で介護したかったけれど、緑内障、腰痛、万年寝不足で、体全体が 動かなくなるときがしばしばあり、限界でした」と。ところが入院しても、毎日の病 院通いで入院費とあわせて、月20万円の出費。頼りにしていた老人福祉手当は、今ま で11万円が母の分が施設入所の為なくなり、父の分も41,000になってしまいま した。これも3年後には廃止されるとのことです。その上、介護保険料は2人で23 00円、10月からは4300円になります。Y子さんは介護保険のため仕事を止め たため無年金で、自分の老後の保障はまったくなく、先行き真っ暗、八方塞がりと悩 んでいます。
2. 夫に先立たれ一人、月3万9400円のくらし
昨年の12月、赤旗新聞の取材に協力してくれたI子さん(86才)は、17年前に夫が 死亡、以来一人ぐらしです。夫がなくなって生活保護の申請に福祉事務所を訪ねたと き「困ったからと言ってすぐ福祉事務所を頼るものではない」と言われた言葉が未だ に頭から離れないと言います。 電気製品は洗濯機とトランジスタラジオだけ。冬はアンカを入れて寝ている状況です。 1日800円のくらしです。介護保険には境界層という制度があるから一緒に福祉事務所 へ行きましょうと進めましたが、葬式代と納骨料のため、こつこつためたお金が数十 万円あるからだめ、介護保険料取られるようになったら、一銭の貯金も出来なくなり ました、と嘆いています。
3. 生活保護基準以下のくらし、保険料の減免を
私は78才、月三万円の年金、妻は71才、10万円です。生活保護基準だと、二人合わせ て約十五万円(家賃を除く)。保険料は第二段階で1ヶ月二人で2300円。ところが、 10月からは2倍になり、一回の年金から二人で9,200円引かれることになります。 しかも年金支給は後払い、介護保険は先取りで10月15日の年金から10月、11月分が引 かれます。介護保険とは本当にひどい制度です。
国民健康保険料には法廷減免制度があり、7割、5割減免がありますが、介護保険料に は減免制度がありません。その上一生保険料を天引きされるだけです。ささやかな貯 金もそこをつきました。生活保護を申請しようかとも思いますが、万一のことを考え てかけてきた生命保険があるため無理。保険料も利用料も減免すべきだと思います。 私たち東京都生活と健康を守る会連合会は、東京都の石原知事に対して、削られた福 祉を元に戻せとともに、介護保険料の減免施策を各自治体に働きかけて欲しいとの要 請署名を、5月29日に105,000名分(累計)を提出しました。東京都も板橋区 も介護保険料・利用料の減免をすると言っておりません。都内でも隣の北区や練馬区 では減免を行っています。
都民、区民とともに大運動を起こし、一日も早く減免させるために頑張りましょう。
■介護保険制度の問題点
特別養護老人ホーム三園ホーム事務長 葛谷 秀樹さんの発言から
○介護老人福祉施設の立場から
1. 利用者個々の保険点数が介護度別のみで構成されており、施設の規模が一切考慮され ていない。このため小規模施設は大規模施設に比べると経営は著しく苦しくなる仕組 みになっている。措置制度のときは、この点が考慮された仕組みになっていた。
2. 入院者が出た場合、全くといってよいほど収入が無くなってしまう。措置制度におい ては、事務費の名目で収入の約8割が確保できた。
3. 措置制度の時代は、東京都の法外援護費の名目で、職員の増配置が行われており、約 5000万円の補助金が出ていたが、介護保険制度になり、経営支援補助金名目で、 約3500万円に減額されてしまった。この差額を介護報酬では埋められない。
4. 措置制度においては、決められた職員の配置人数をきびしく要求されていたが、介護 保険制度になり、保険制度に定められた職種と人数のみの配置を求められ、現在抱え ている必要としない職種に対する考慮が一切なされていない。しかも国や東京都は介 護保険制度の下で求められている常勤職員以外は、パート等で賄えば、経営が出来る と言っているが、常勤職員の解雇は無理である。
○通所介護施設の立場から
1. 毎日の通所人数が直接収入に結びつく制度にいきなり転換したための混乱が多く見ら れた。各施設はそれまでの通所人数を引きずって介護保険制度に突入した為、今まで 少人数でやっていたところは、半年以上は赤字の状態であった。もう少し準備期間が 欲しかった。
2. 入浴に対する報酬があまりにも低すぎる。入浴を希望する人には大変に多く、福祉施 設として、到底拒否できるものではない。しかるに、入浴を行うには通常のサービス を止めるか、赤字を抱えたままで行くかの選択をしなければならなくなる。
3. 送迎サービスに対する報酬があまりにも低すぎる。現在バス会社に送迎委託を行って いるが、その毎月の支払額は送迎サービスの報酬として施設が受け取る金額の約3倍 である。各施設によって、ばらつきはあるが、施設が受け取る全介護報酬の約2割が バス会社に支払う送迎委託費用となっている。
4. 介護保険制度では1日の最大定員に対して、職員の配置基準が定められているが、毎 日最大定員が通所するわけもなく、特に何らかの疾病を抱えている高齢者がほとんど であるため、病欠も多く、その際の考慮が一切なされていない。
■区議会議員 遠藤 武さんの発言から

介護保険が始まって1年が経過して、事態はどうなったか、取り組みはどうだったか 発言したい。 昨年4月にシンポジュームを開いた。ケアマネージャーの方々の意見もたくさん聴く 中で、保険料や利用料が高すぎるため、サービスを控えることになる可能性を指摘し た。板橋区の資料でも、利用限度額の42.8%の利用に止まっていることがあきら かになった。2月は38.5%に落ち込んだ。
利用料が高く、施設の不足が利用の進まない原因でもある。訪問入浴介護43.6%。 訪問看護44%。訪問リハビリテーション35.1%。介護療養型医療施設25.1% となっている。
では、財政面から見るとどうか。平成12年度は約146億円の予算を見込んだが、 48億9200万円残した。65歳以上の高齢者から集めた保険料は、8億円近く取 りすぎているとなっている。平成13年は171億4900万円を見込んでいるが、 このままでは明らかに保険料の取りすぎとなる。 これまで区議会議員団は保険料・利用料の減免条例や、予算修正の提案を行ってきた。 予算、決算議会でも提案してきた。日本共産党が提案した条例には、自民党、公明党 が反対したが、40%の議員が賛成するところまできた。3月議会の代表質問で公明 党が、保険料、利用料の減免を質問し、6月議会では、自民党が利用料の減免を求め るようになった。
この変化は、多くのみなさんが取り組んだ、介護保険を良くするための、区長への1 0万人要望署名が、4万人も集まったことが大きな力となっている。今後とも、力を 合わせていきましょう。
■小池 晃 日本共産党参議院議員の発言から

○利用料については、1割負担がサービス利用の妨げになっていることは、いまやど の調査でも明白です。
国の制度として、在宅サービスの利用料を、住民税非課税者まで無料にすることが必 要です。 当面の緊急対策として、政府の「特別対策」を拡充し、新規利用者もふくめて、すべ ての在宅サービスを3%にすることは最小限の措置です。
保険料については、10月からの満額徴収を前に、住民税非課税者の保険料を免除す る恒久的な対策を取ることは、介護保険存続の前提条件です。厚生労働相も、「耐え られない人もあるだろう」(4月3日、参・厚生労働委)とのべています。ならば具 体的な低所得者対策を国民にしめすべきです。それができないというのであれば、1 0月からの保険料満額徴収を凍結し、低所得者対策の確立を先行させるべきです。 また、介護保険料の滞納と連動した国民健康保険証の取り上げが不安を広げています。 国保証の取り上げは命の危機に直結します。これを中止すべきです。
○福祉現場の労働条件悪化を早急に改善すること
“介護保険の1年”が、ホームヘルパーなど福祉・介護労働者の犠牲のうえにあると いっても過言ではないほど、現場の労働条件が悪化しています。介護報酬の見直しを 含め、早急に改善策を講じるべきです。また、サービスの提供を民間まかせにせず、 自治体としても必要な人を確保するなど、自治体が公的責任を果たせる方向で、指導 を強化することが重要です。 介護保険の要であるケアマネージャーの努力に報いるために、介護報酬を適正に引き 上げ、自治体とケアマネージャーとの協議、懇談ができる機関を設置する必要があり ます。
※その他、依然として不足している介護基盤整備に全力をあげるべきであること。コ ンピューターによる機械的な一時判定を止めるべきであるとの発言があった。
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