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出張所廃止後の、区民事務所と地域センターのあり方について

2005年6月定例会での区議団の質問から
わが党はこの統廃合・再編が区民サービスの低下をもたらすものであることから反対し、また、4月5月の時期に実施すれば、大きな混乱をもたらすことも指摘してまいりました。

4月の統廃合から2ヶ月がたちましたが、区民からはたくさんの苦情の声があがり、この指摘が不幸にも裏付けられています。窓口業務を廃止した地域センターにはどこでも「知らなかった。周知はしたのか」「出張所と同じ仕事ができないなら開けている意味がない」「窓口が遠くなり、不便になった」「高齢者をいじめる気か」などの苦情が多く寄せられています。

また一方の区民事務所には、さまざまな書類発行を求める区民が集中し、大混雑となりました。そのなかで「こんでいて、どこに並んでいいのかわからない。大きな声をあげて職員を呼ばないと、案内もしてくれない」「足腰の悪い自分には、あまりに遠すぎて、もう来たくはない」との声もあがっています。区は、こうした区民の苦情や抗議を真摯にうけとめ、区民の利便性をはかる、区民サービスを向上させるという行政の原点に立ち返るべきであります。わが党は、廃止した出張所の復活をつよく求めるものですが、それが実現するまでの当面の期間も、区民サービスの質・量ともの維持と向上に最大限の努力を注ぐことを求めるものです。

そこでいくつか、お伺いいたします。まず、区民カードについてです。4月のカード発行は4860件ありましたが、このうちいちばん多く1791枚発行したのは、正規の窓口である戸籍住民課でも区民事務所でもなく、臨時に短期間だけ発行した地域センターでした。このことは、遠くの区民事務所に行くよりも、近くて、カードが使える機器がおいてある地域センターでの発行を求める区民が多いことを示しています。必要な体制をとってこれからも地域センターで区民カードを発行するべきではありませんか。お答えください。4月・5月は転入・転出が集中する時期であり、ただでさえ混雑する時期でした。ここでの業務のあり方を見直し、二度と苦情が出ないようにすることが大事です。これからも混雑が予想される時期があります。今月6月には、1万世帯に上る都営住宅の居住者に課税証明書の発行する業務が予想されます。これまでの反省を踏まえ、特別の体制が必要ではありませんか。どのような体制をとるのか、お示しください。 

 この間の混乱や区民からの苦情、そして各区民事務所間の仕事量に歴然とした差があることなど、区の当初の見込みと実際の結果には隔たりがあり、新しく始まったいまの体制やサービスの内容をもう一度、見直す必要があります。職員の増員を含め、体制の再検討をすべきです。

また高齢者や障害者など希望する方に「出前サービス」を実施するなど、遠隔地対策が必要と思いますが、いかがでしょうか。

 区民の苦情・意見のなかに「地域センターは夜間、委託された人がたった一人でいるだけで無用心だ。区民の個人情報の管理の面からも心配」というものがありました。もっともな意見だと思います。地域センターについて、夜間も複数人の体制を整えるべきではありませんか。答弁をもとめます。

この問題の最後に区民に対する接し方について、申し上げたいと思います。いまの区民事務所の評判の悪さの原因の一つは「親切でないから」という区民の意見があります。遠くなった事務所まで延々と歩いてやっとたどり着いたかと思えば、見慣れぬ窓口の前でまごついてしまう。それでも声をかけてくれる職員がいないというのです。職員の立場からいえば、人員を減らされたうえに対応する区民は増えたのですから「心も体も休まるときがない」というため息がもれてきます。こうした状況では、「もう区民事務所には行きたくない」という区民が現れてもふしぎではありません。区民が入り口に入ったときから「御用はなんですか」と明るく声をかけるような親切であたたかな区民事務所、地域センターにすべきではありませんか。この問題に現場職員といっしょに知恵を出し合い取り組むことを強く求めるものです。

クリックしてください。
板橋区は経営刷新計画のもと、現在18ヶ所ある出張所を6ヶ所の「区民事務所」に統廃合しようとしています。本年度は「準備」、来年度「スタート」の予定です。

 出張所の役割はどうなるのか。区民への影響はどうか。関係者に取材してみると、いろいろな問題点が浮かびあがってきました。


区が計画していること

● 窓口事務(住民基本台帳に関すること、印鑑登録、戸籍の謄・抄本、国民健康保険、国民年金の事務)は、6ヶ所の「区民事務所」と区役所本庁舎のみで行なう。
● 「区民事務所」とは、現在の仲町・常盤台・志村坂上・蓮根・下赤塚・高島平の各出張所6ヶ所
● 「区民事務所」が置かれないところには、自動交付機を設置し、印鑑登録カードをIC化して、暗証番号で銀行のATMのような形にして、住民票もとれるようにする。


問題点、区民への影響は…

○ 近くの出張所が遠のくことで、結局、区役所本庁舎に集中することが予想される。今でも区役所の窓口は待ち時間が長いと苦情が絶えないのに、さらなる混雑も。区は、本庁舎の戸籍住民課を増員するといいますが…。

○ 自動交付機の利便性も「?」です。機械を使い慣れないお年寄りに、職員の手助けなしで使えるものかどうか。また、年金の現況届のハガキに証明印を押してもらう記載事項証明などは機械では無理な仕事です。

○ 先行の豊島区の自動交付機は、一般的でない漢字(誤字、脱字に近いが、戸籍に登録されているもの)は発行できず、そういう人は区役所に行かなければならない状態。名は人権にかかわること。これで「公平」といえる?

○ 「区民事務所」では、これまでの出張所の窓口事務に加えて出生届と死亡届を受付けます。しかし出生届だけ受付けても、乳幼児医療の手続きや転入の手続きなどは結局、区役所本庁舎に行かなければなりません。死亡届も、ほとんどは葬儀屋さんがすでに代行しています。どこが「サービス拡充」なのか。

○ 「廃止」を進めながら一方で大きなムダづかいも。今年10月から、戸籍の謄本や抄本を、本庁舎と出張所を回線で結ぶ戸籍事務のオンライン化を始めます。専用の端末機は現在の18ヶ所の出張所全部に置く。廃止予定の12ヶ所では、わずか6ヶ月だけのために高価な端末機を購入。「IT推進」には、ずいぶん「やさしい」板橋区です。


<地域活動の連絡調整の役割は?>


区のの説明では…

● 現在の出張所に「地域センター」を設置。現在の区民センターは18か所の「地域センター」に統合。

●「地域センター」の職員は、所長を含む常勤職員3名と再雇用・再任用職員3人の配置の見通し。

●区は町会長さんたちには、出張所がなくなっても地域振興の仕事は「何も変わらない」と説明。

問題点、区民への影響は…

○ 「成人式」「地区まつり」「キャンプ」「地区スポーツ大会」など、青少年健全育成協議会(青健)の事業は、教育委員会との間で「一部見直し」を検討中。行事は縮小されそうです。

○ 掲示板や回覧板でのお知らせ、年末助け合いや赤い羽根などの募金の取り扱い、町内のいろいろな相談、苦情への対応など、これまで出張所でおこなってきた区の総合相談窓口の役割はどうなるのか? 区は「引き継ぎたいが、職員数が減るので、工夫が必要」といいます。

○ 2001年から「民間主導で」と区の肝いりで始めた環境行動委員会の事業では、連絡調整の役割はすべて出張所が担ってきましたが、いま「一本化の要望も出されていて、調整中」とのことです。

○ 町会連合会の支部の会計処理や地域新聞の発行など、その運営に事実上、出張所の職員が携わっています。区は「引き続ぐ方向」といいますが、職員減で「いままでどおり」とはいきそうにありません。

○ 火事の現場に真っ先に飛んできてくれるのが出張所の所長さん。被災者の確認や緊急避難の住居の確保、見舞金の支給など頼りになる存在でした。出張所の廃止で、昼間は「地域センター」で、夜間は防災課で現場対応することに。しかし、「地域センター」では住民票の確認ができません。

○ 現在の区民センターは、再雇用の職員とシルバー人材の方が配置されていますが、「地域センター」ではシルバー人材の方の採用は未定。シルバーさんの働き口が減ることが心配です。

 いままでの板橋区の出張所がどういう理念で行われ、なぜ変えることが必要なのか、そもそもの議論がまったく行われていないというのが、今回の板橋区の出張所廃止の最大の特徴です。板橋区の「地域重点型」施策は他区の参考にもされてきました。にもかかわらず「経費削減、先にありき」で廃止・縮小を急ぐのは異常です。まずは、区民に身近な出張所の役割について、しっかりとした区民的論議が必要です。


日本共産党板橋区議団