4月からの「ペイオフ解禁」になる予定ですが、今、分譲マンション管理組合では、「修繕積立金」をどのように安全に管理するのかということに、大きな関心が広がっています。
 日本共産党板橋区議団・同マンション相談室は、2月24日、板橋区立産文ホールで「管理組合の修繕積立金のペイオフ・交流セミナー」を開催しました。
 板橋区内外から管理組合理事長さんをはじめ57名が参加し、4人のパネラー発言・フロアーからの質問・意見による熱の入った交流がおこなわれました。
 開会のあいさつで、菅原敏幸マンション相談室長は「マスコミ等でさまざまな情報が流れていますが、管理組合の役員のみなさんが、ペイオフに対する正確な知識を持つことが、ペイオフ対策を考えるうえで必要と思い、今回の企画をもつことになりました。今日のセミナーで学習・交流し、今後の対策に役立ていただきたい」と述べました。

日本住宅管理組合協議会・常務理事 
原直男さんの発言から


 日住協は1969年にできた団体です(分譲マンション管理組合団体、236組合67000戸)。
 管理組合の団体の立場から、ペイオフ対策は「こうあるべきだということを示してもらいたい」というのが、みなさんの希望のようです。ところがマンションは全部ちがいます、修繕積立金の金額もちがいます。したがって、こういう方法で行ったほうがいいよという訳にいきません。たくさんのマスコミの取材は大体終りまた。マスコミの取材が終ったということは、管理組合のみなさんのところでも大体方向の選択が決まったのかなというのが、私の感想です。
 みなさんのほとんどは定期預金集中していると思いますが、その定期預金は4月よりペイオフの対象になります。普通預金については来年の4月まで猶予になります。
 管理組合の対応としては、どういうことをおこなったらいいのか。
第一に自分の管理組合が法人と同一視されている体制になっていのか。管理組合法人であれば、1000万円まで保護される。大部分の管理組合は法人化されていない。法的には「権利能力なき社団」というふうにみなされるか、任意団体になって、キチンと団体としての性格が認められないというおそれがあります。
 法人以外の管理組合で、規約があり、管理者がいて、1年に1回総会が開かれ、適正に管理運営されている場合は法人とみなされます。そうなっていない管理組合の場合、管理組合資産は、区分所有者個人の共有財産とされ、各所有者の他の預金と合算され1000万円超えた分が回収されなくなります。
現在口座のある銀行に、法人化していない管理組合の場合にも「管理組合の団体の資産だ」という確認を取っておいていただきたい。この点は曖昧な銀行もありますので。
 二番目は「管理適正化法」のもとではあり得ないことになっておりますが、預金口座が管理会社、あるいは管理組合代行の管理会社名義になっている場合がなくはありません。今一度確認しておく必要があります。
 団地型の管理組合は、棟ごとに預金管理していてもひとつに合算されます。金融機関が合併した場合もひとつに合算されます。積立金保険の場合も受取人が管理組合になっていることを確認しておくこと。受取人が管理組合代行会社になっている場合もあります。

どんな対応・対策が必要か。

1.管理組合の預金がどこにどのようにあるのか把握すること。2.その上に立って理事会で検討する。理事会でよく討議をしてほしい。理事長の独走にならないようにすること。3.預けている銀行の担当者をよんで、銀行の各付とか自己資本比率など経営実態を聞くことです。
 ダイナミックなペイオフ対策は、はたして必要なんだろうかというのが私の感想です。現在預けている銀行がそれなりに安定だと確認できれば、やたら動きをする必要がないのではないかと考えています。
銀行が管理組合を訪問してきて説明していない。管理組合は銀行にとっていいお得意先なのに説明にも来ない、これはおかしいのではないか。
 三番目、住宅金融公庫の「修繕債券積立制度」(ペイオフ対象外)1口100万円で何口でも利用できます(45000口限度)。毎年50口買っている組合もあります。
 四番目、とりあえず普通預金にして対策を検討するところもあります。いけないとは決して申しませんけど、本来普通預金に多額のお金を入れないのが常識です。
 五番目、管理組合でおこなわれている「ペイオフ対策」には一長一短がある。「修繕債券」の購入は、公庫廃止で先行き不透明。「分散化」は、管理が大変。「普通貯金」は、来年4月からペイオフの対象。「国債を購入」は途中換金で目減りの可能性。「中国ファンドの購入」は、元本割れの恐れも。MMFは、個人向けの商品で管理組合で購入できない。「1行に集中」は安全性の見極めが難しい。
 こうしたものを組み合わせているのが、管理組合のとっている対策と思います。これにはそれぞれの問題点があります。
ペイオフ対策というと、なにか3月31日がゴールという印象があるんではないでしょうか。それは間違いで、4月1日からペイオフ体制になるのであって、4月1日からいよいよペイオフ対策をしていかなければならない。
 管理組合の体制を強める。危機に対応できる体制をつくる。具体的には、会計業務を委託している場合は、管理会社から月次の収支会計報告、財産状態の一覧表を報告させて財産管理をおこなう。管理体制が弱い、これが一番の問題点だと思います。月1回の理事会に会計報告させ、論議するのは当たり前です。すべての管理組合でこうした体制を取るべきだと思います。「最大のペイオフ対策は、4月1日からそういう体制になること」だと思います。常に自分たちの財産の状態が掌握できることだと思います。理事会として情報を集め、いざという時に適格な対応ができるようにすることです。
 最後に、理事長の責任ですが、こんなことで責任を問われたら誰も役員の引き受け手がなくなります。不幸にして元本割れしてしまった場合でも、通常の注意をしていれば損害賠償の対象にはならないと思います。


管理組合の立場からのペイオフ対策、
大山ローヤルコーポ理事長の郷田正のりさんの発言
(築28年260戸、2億3000万円の積立金、自主管理)


 6年前から自主管理体制に移行しています。7人の理事で運営してきましたが、1人病気で現在6人体制でおこなっています。修繕積立金は約2億3000万円。
これまでどう悩み、対策をとってきたのか。これからどう対応していくのかについて、理事会の活動を中心にお話します。
 3年前ペイオフの問題が出た時、最初の頃は、しばらく様子をみて対応を考えればといいのかなと、あまり真剣に考えなかった。ところが、金融機関の公的資金の注入だとか不良債権が増えているだとか、にぎやかな状況があまりにもひどく進行している関係で、これはほっとけばあわてていろんなことをやらなければならなくなるかもしれないなと、2年前の理事会から毎月の議題に据えるようにして今日まできています。
積立金は区分所有者の非常に大きな努力をした汗と涙の結晶の積立金です。将来修繕して50年、70年と建物を持たせようとするための蓄えですから、いろいろ情報を集めました。
一つは金融機関をどうするか。当初は銀行一行、信用金庫一行の二つの金融機関を利用していました。これではまずいかなということで、いろんな角度からもう一行金融機関を増やしまして、口数にして20口ちかく、毎月のように定期が満期満期がくるようになります。こういうことでしばらく様子をみようということにしています。
 日常支払いに郵便局の普通預金を利用しています。郵便局も1000万円ということで期待できない。
どんなふうに考えていったらいいのかということで、2億3000万円を1000万円づつ分けて、東上線沿線に23の金融機関があるか、理事にあげるだけあげてみろと言ったら確かにあります。分けたら理事と会計さんはえらいことになります。仮に1000万円づつあずけて、おかしくなってパンクしたら、引き出すのに半年1年かかることが考えられる。1000万円にすればすべて安心という訳にもいかない。それならいっそのこと国債を買ったらという意見もありましたけれども、昨今の状況をみれば、目減りするのでは、こんな不安定の国の、安心して預けておくわけにもいかない。
いろいろ対策を考えて来たなかから、一つは現在の銀行二行に、満期になった定期をその都度、普通預金に移しながら1年間はしのいでいかなければいけないかな。もうひとつ金融情報を検討して、銀行を増やして行く。これが当座の対策です。
もう一つは、郵便局の振り替え口座です。利息はゼロですが、預ける上限はない、ペイオフ対象外口座です。これについては、口座を開設するには1月半ぐらいかかります。利用可能かどうか、現在調査中です。


千代崎一夫さんは(住まいとまちづくりコープ代表)、「マンション管理適正化法とマンション管理」のテーマで、昨年8月よりスタートした「適正化法」を解説しながら、マンション管理のすすめ方とペイオフの関わりについて発言しました。「適正化法」で、管理組合の口座名義は管理会社名義にできなくなった。管理会社は管理業務主任を配置して管理する。委託している管理会社が大手の会社だからと言って安心してはいけない。
 マンション住民はどうすればいいか、管理組合・居住者が成長し、高まっていかなければ、いい管理が生まれない。いい資産・積立金を守れない。自分たちを高める手段としては、こういうセミナーとか、相談会に参加して高める必要がある。


板橋区議団長の小野修悦さんが「これまでの板橋区議団の行政支援対策の取り組み」「板橋区のペイオフ対策」を報告しました。
 板橋区議団は、10数年前からマンション管理支援にとりくみ、相談窓口の設置、実態調査の実施を実現させてきました。昨年の11月にも議会で質問し、支援対策を強めている。また、ホームページを立ち上げ、マンションコーナーを設け、アクセス数も多く喜ばれています。区内のマンションも5万戸を超え、30年を超えるマンションも増えてきますので、建物診断・長期修繕計画への助成、大規模修繕への助成など、実態調査アンケートでも区民の要望の強い支援策を実現するために頑張ります。