「不適切な学校運営」で学校長などに処分
板橋五中の「不適切な学校運営」が、昨年末マスコミに取り上げられ(12月12日付の読売新聞夕刊、および17日にはNHKニュース、18日には朝刊各紙が掲載)、12月18日の文教児童委員会に経過と今後の対応について報告が行われました。

 不適切と指摘されたのは、

  1. .TT加配の教員(1名)はTT授業を週18時間行わなければならないのに、実際は週約7時間(計画の3分の1)しか行っていなかったということ、
  2. 校長がその事態を黙認してきたこと、の2点とされています。また板橋五中へのTT加配は平成6年度から行われていたが、7年度、8年度はTT授業が実施されておらず(6年度は不明)、9年度から14年度まで、3分の1の実施状況だったとのことです。

区教育委員会は、校長の「不適切な学校運営の責任は重大」として、都教育委員会に事故報告をし、処分の申請を行い、さらに再発防止にむけ、全校への厳格な調査・指導を行うとしています。

ティーム・ティーチング(TT、習熟度別少人数授業)
1クラスを2つのグループにわけて、習熟度別に2人の教員で授業を行うなど、学級を解体して少人数のグループに分かれて授業をするという方法と、クラスはそのままに2人の教員が一緒に入って指導する方法の二つがありますが、いずれも教育実践の一つの方法、形態です。

現在文部科学省は、「習熟度別少人数授業」を、政策的意図をもってすすめています。「習熟度別少人数授業」に対しては世論調査でも、「理解が遅れている子が減る」などの期待感がありますが、国の真のねらいは“できる子”“できない子”を早くからできるだけ効率的に選別して格差を広げることにあります。学校現場からは、子どもに差別感や劣等感、優越感を生み出すこと、「時間割編成の煩雑さ」「教室間移動の手間」「教師の頻繁な交替や負担の増加」「打ち合わせや進度調整の困難さ」「有効な“空き時間”や教材研究の不足」「過密・多忙化」などの弊害が強く指摘されています。

事件の背景には、差別選別をすすめ、学校への管理統制を強める文部科学省の方針が…
しかし、校長や関係者の処分、全校への徹底調査で済まされる問題ではありません。今回の事件で浮かび上がった学校現場とTT授業との矛盾、さらにその背景にある文部科学省の間違った教育政策にこそ、メスを入れるべきです。

「どの子の能力も最大限の可能性を引き出してほしい」という願いにこたえ、そこで学ぶ子どもたちと保護者、教職員によって自主的、主体的、創造的に作り上げるの本来の学校のあり方です。

ところが現在、文部科学省がすすめている教育政策は、「どの子ものびる」可能性を否定し、できる子できない子を効率よく早い段階から選り分けようというものです。それは「できん者はできんままで結構」という三浦朱門氏(学習指導要領を作った審議会の責任者)の発言にもはっきり示されています。

TT授業の矛盾
今回問題になった「チーム・ティーチング」も、教科によって、できる子できない子を分けて指導するなど、文科省の方針どおりにするならば教員を配置するというものです。時間数の割り振りも「しばり」がかかることになります。

問題の板五中では、「国語」にTT加配されましたが、現場ではTTで学習効果があがるのは、古典や文法の授業のときだけで、その他の国語科については、これまでどおりの授業でよいという認識がありました。しかし学校の裁量は認められず、結果的に「不適切」とされることになりました。

30人学級の実現こそ急務
現場での実践を無視し、「TT・習熟度別少人数授業」では、教育への管理統制を進め、安上がりの教育で学校現場の矛盾をさらに深刻にするだけです。

日本共産党は、TTではなく、「抜本的に学級規模の縮小こそ急務」と、板橋区に対し、区独自の少人数学級実施の計画を持つよう強く求めてきました。

いま多くの国民の声におされ文部科学省も、少人数学級のための教員の加配について、実施の方向で各県への調査をはじめました。地方自治体が独自に計画を持つことの必要性は、ますます重要です。30人学級は全国で1兆円あれば実施できます。実現に向け力をあわせましょう。


日本共産党板橋区議団