加賀保育園「民営化」に対する区議団の説明と
区長の答弁

2004年11月26日本会議にて
 経営刷新計画に基づいて、板橋区は現在、「区立保育園民営化基本方針」を定め、区立加賀保育園と赤塚六丁目保育園の2園を18年4月から、高島平かえで保育園を20年4月から「民営化」するとして、保護者への説明を開始しています。

 加賀保育園の保護者に対する説明会が、この間、3回にわたって行われましたが、到底、保護者の理解が得られるものにはなっていません。

 保護者からは、「先生たちが全部入れかわってしまうのは本当に不安です」「子どもたちと先生と父母と園とで築いてきた、かけがえのない信頼関係、人間関係を壊さないでほしい」「加賀の保育がつくってきた公立保育園の水準を下げるようなことをしないでほしい」という声が上げられ、区の方針に対する疑問の声も次々と出されています。

 子どもにとって何が大事なのかという理念もなく、父母の願いともかけ離れて、刷新計画ありきで進められている区立保育園民営化計画は、今、父母と子どもたちの日々の暮らしに不安を与え、区政への不信を増大させています。

 父母に与える不安を解消し、父母や区民の保育要求を真っ正面から受けとめ、民営化方針を撤回することを強く求め、以下質問いたします。

 働きながら子育てをする保護者が、仕事や子育ての時間を犠牲にしながら、やっとの思いで区との話し合いに応じています。しかし、加賀保育園での説明会では、「18年4月実施」が大前提のもとで、区の「お願い」だけが繰り返され、結局、「決めるのは議会」と言われ、さらに父母からの「お願い」はすべて拒否され、何のための話し合いなのかと落胆の思いだけが強まっています。

 しかも、第3回の説明会では、60人を超える保護者に対して、「ここに集まっている人だけが父母ではない」という発言が区側から飛び出したことは、参加した父母に大きな驚きを与えるものになっています。

 区は第2回説明会で、「父母の8割から9割が納得するようにする」「何度でも話し合う」「場合によっては延期もあり得る」と発言しています。父母は、区のこの姿勢に信頼を寄せて、誠意を尽くして話し合おうとしているのですが、実施時期が決められてしまっているのでは、「結局は強行突破なのか」と不信だけが募ることになっているのです。区が保護者と本当に誠実に話し合うという姿勢を貫くならば、実施時期を前提とする姿勢は改めるべきです。

 区は説明会で、繰り返し「白紙の状態での話し合いです」と言っています。ならば、「18年4月実施」という結論こそ白紙に戻して話し合うべきです。そうでなければ、保護者との誠実な話し合いが成り立ちません。区長の見解を求めます。

 移管先の決定方法も、多くの区民の疑念を呼ぶものとなっています。

 区は既に、移管先について、加賀保育園のプロポーザルの参加を希望する法人は、社会福祉法人愛和保育園と家政大学の学校法人渡辺学園の2つになったとの調査結果を全保護者に報告し、この2法人に対する保護者からの意見や要望を文書で求めたりとする、そういう作業まで行っています。

 引き受ける法人を絞り込みながら、選定委員会の設置や選定基準は後からついてくるという業者選定のやり方は、形だけを後からつくるものであり、保護者の皆さんのみならず、区民の納得を到底得られるものではありません。

 応募資格を区内とすれば2つの法人しかない。しかも、そのうち1法人は、赤塚六丁目保育園の委託を受け、加賀保育園と同時期にこの保育園を譲り受ける法人であるという中では選択肢はないのと同じではありませんか。業者選定の公平性や透明性はまったく失われています。

 区の責任放棄を「父母の選択」という隠れみので覆うようなやり方はやめるべきです。区長の見解を求めます。

 そもそも、なぜ公共財産である土地を無償貸与し、建物や設備を無償譲渡するという形で区立保育園を「民営化」する理由がまったく理解できないというのが保護者の声です。

 区は、民営化基本方針で、「延長保育、一時保育、病後児保育、待機児童の解消、食物アレルギーへの対応、障害児保育、児童虐待防止、地域での育児相談・支援など、さまざまな保育需要がある」が、「財政状況が極めて厳しい」、さらに「保育以外にも区政の課題が増大している」ので、「区立保育園の一部を私立保育園に移行する必要がある」と言っています。区立を私立にすることで区全体の保育サービスが向上すると言っていますが、本当にそうでしょうか。

 区が挙げているさまざまな保育需要は、どれもこれまで区立で実践され、拡充が図られてきたものであり、区立で担えないものはありません。一方、私立保育園では、今、東京都の公私格差是正事業の廃止、サービス事業推進経費の導入によって経営の基盤が大きく揺らぎ、さまざまなサービス実施を迫られながら、一方で経験のある保育士は臨時や非常勤化せざるを得ないなどの事態に追い込まれています。

 私立保育園をバラ色に描く区の姿勢は、私立保育園が直面をしている問題を見ていないだけではなく、区の保育行政への責任放棄につながるものです。待機児が毎年増大する中で、子どもを産み育てる世代が求めていることは、区立保育園も私立保育園も、ともに充実してほしいということです。

 第3回の説明会で、あるお父さんから「区の児童女性部予算は5年間で750億円、一方、経営刷新計画で保育園の民営化による5年間の削減額は7,100万円とのことだが、この5年間で総予算の0.01%の経費を削減するために、子どもたちに負担を強い、父母にこれだけのエネルギーを費やせる必要がどこにあるのか。」と発言されましたが、この声に区は真剣に耳を傾けるべきです。

 板橋区が本当に保育サービスの向上に力を尽くすというのならば、区立も私立もともに充実させることこそ全力を挙げるべきです。区政の将来に大きな禍根を残す、区立保育園の民営化方針の撤回を強く求めます。区長の見解を伺います。

【区長答弁】それから、区立保育園の民営化計画につきましては、18年4月実施を白紙にしてもらいたいという話でありますけれども、区立保育園の民営化につきましては、民営化基本方針によりまして、区立の加賀保育園及び赤塚六丁目保育園を平成18年度に、高島平かえで保育園を平成20年度に民営化する予定で、議会にもこれはもうご報告を申し上げておりますけれども、当該保育園の保護者とも話を進めているところでありまして、計画どおり実施できるように区としても努力をしてまいりたいというふうに思っております。

 それから、区立保育園の民営化の引き受け事業者につきましては、プロポーザル方式で決定をいたしますが、応募資格、選定委員会の設置につきましては、議会、それから保護者の方々にもご報告を申し上げてまいりましたし、これからもご報告を申し上げながら進めていきたいと思っております。

 それから、区立保育園の民営化について、経営刷新計画に基づいて、公共サービスの民間開放の観点から実施するものでありまして、移行後の保育園も、区内で現に運営されている私立保育園と同じように、国や東京都の基準に沿った認可保育園であるわけでありまして、現行の保育の水準を確保しながら、さらにいろいろなサービスを展開していただけるものと考えております。

9月10日加賀保育園「民営化」についての父母説明会の内容を読む》

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子育て世代に、総額3億円の負担増!
父母の願いは「負担の軽減」です。保育料値上げ反対の声を広げましょう。
区がまとめた「区民意識意向調査」では、子育て分野で行政に期待することのトップは経済的な支援(38.8%)でした。
また、値上げ計画に寄せられた区民の意見(パブリッシュコメント)でも「もう一人子どもがほしいが、経済的なことを考えると踏み切れない」「保育料・利用料を値上げすれば、働きたくても働けない」という声が圧倒的です。
区民の願いを踏みにじる値上げは許されません。世論を広げ、値上げ計画をストップさせましょう。

日本共産党板橋区議団